子育ての目標が「自立」だとしたら
いつかは子どもたちも巣立っていくはずです。
1人で暮らすかもしれません、家族を持つかもしれません。
その時、外の世界でだけでなく、家庭の中でも、リーダーシップの意識を持って主体的に活躍できるようになって欲しいと思います。
家族と自分がより快適な暮らしを送れるよう、自ら動いて工夫していく。
それこそが人生を豊かに、幸せにすると信じているからです。
こうした想いから、私は子どもたちにも積極的に家事をしてほしいと思っています。
(もちろん私が楽になって助かるからという理由も大きいです!)
夫は積極的に家を回して、息子たちの良いお手本になってくれています。
人を巻き込むのが上手な人で、子どもたちに明るく楽しくどんどん仕事を振り分けてくれます。
夫が出張の日は、今日は誰がリーダーをする?と相談して決め、食事・洗濯・お風呂・片付け・掃除の順番や、仕事の割り振りをお願いします。
みんなでワイワイプロジェクトを進めているようで楽しく、リーダーになった息子は使命感を持って頑張ってくれます。
末っ子も真似してお手伝いしてくれます。
週末の場合、「7時までに全て終わったらムービーナイトね!」などとお楽しみを用意すれば、さらに盛り上がります。
フラットな家族関係を作る間取り
去年末に、色々思い返していたら、「お手伝いを積極的にしてくれるようになったのは特に、新居に引っ越してからだなぁ」と気が付きました。
上2人の息子たちが成長したことはもちろんですが、
おそらく「みんなで家事したい」という気持ちで設計してもらった間取り、「とことん片付けやすく」を意識した収納にしたことが、功を奏したのでしょう。
皆が作業しやすく、苦もなくしまうことができるから、あっという間に片付くようになったのです。
引越した去年からは、家事が私1人の負担になることがほぼありませんでした。
1歳児含めた3人の子育てをしながらでも、気分良く過ごせています。
これは、家族と間取りのおかげだと思っています。
①明確な境界線のないオープンなキッチン
カウンターキッチンを辞めたため、ダイニングとの区別が曖昧になっています。
そうすると、ダイニングは「客席」となりません。
ダイニングテーブルは料理中、小さな子にも使いやすい作業台となります。
食洗機はフロントオープン、食器は引き出し収納なので、子どもたちも簡単に出し入れできます。
作る・食べる・片付けることが、シェアしやすくなったと思います。
②広いランドリールーム兼ファミリークローゼット
これまでの脱衣所はあまり広くなく、作業スペースも充分ではありませんでした。
なので私か夫のどちらか1人が洗濯物の出し入れをし、子どもたちはお風呂に入る時に通り過ぎるだけでした。
今の家ではランドリールーム(洗濯乾燥機、室内干しスペース)とファミリークローゼットを合体させた、脱衣所にしてはかなり広い部屋にしたので、家族みんなで長い時間滞在する部屋になりました。
朝は乾燥機から乾いた服をばっと出して、「はい、これ〇〇のー!」とみんなでワイワイ仕分けしながら引き出しにポイポイ入れていきます。
1人で家族全員の洗濯物を畳んでしまっていたらとても時間がかかりますが、みんなですればあっという間に終わります。
お風呂上がりのお手入れや、洗濯物を干す時間も、私が作業中子どもたちは鏡の前でダンスしたり寝転んで本を呼んだり(まだ物干しに届かないので大人の仕事)。
子どもたちがそばにいてくれてお話しながらだと、楽しく作業できます。
そんな様子↓
③ストック&補充、お掃除も皆で。
基本的には納戸や倉庫ではなく、みんなのロッカールームにオープン収納してあるので、ダイニング側からスタディルームにいる子どもたちに「ティッシュなくなっちゃったから取って~」とか、オムツ替え中に「おしり拭きが切れちゃった!!取って~!」とといえば、となりのロッカールームから取ってぽいっと投げてくれます。
また、お風呂も鏡やカウンターをなくし掃除しやすくしたので、子どもたちもそんなに嫌がらず掃除してくれます。
「もてなす」ための家だった?
昔、家事をするスペースは、目立たない場所にあり、客間にいる人たちに見えないようになっていました。
それは、家事をする人(メイドさん)と客間を使う人(家の主人とその家族)が明確に別れていたからじゃないかと思います。
カウンターキッチンが家の中心に躍り出た最近でさえ、くつろぐ側であるダイニングと作業場であるキッチンはカウンターにより分断されています。
お店なら必要な境界線ですが、すべての家庭に本当に必要でしょうか。
はっきりとは言わないまでも、家事をする人(主に妻)と客間を使う人(主に夫と子どもたち)とが、自然と別れてしまうように思うのです。
妻であり母が家族を影で支え、もてなす。
そういった美徳に疲れている私のようなお母さんはいませんか。
貴族のお城?
各部屋にクローゼットがあるのは、貴族のお城と一緒です。
寝室を一歩出たら「公の場」となった時代は、朝メイドさんが部屋に朝食を運んでくれ、メイドさんが洗面ボウルにお水を張って持ってきてくれ、服を着せてくれ、それでやっと部屋を出られたのです。
洗濯をするメイドさんの立場になったら、洗濯した後各部屋にそれぞれの服を運んでしまいに行くのは面倒に決まってます。
洗濯したらすぐその場でしまえたほうが楽なはずです。
現代の日本の一般的な家庭では、自分たちが家の主人というだけでなく自分でメイドの役割もしなければないないので、家の形も変わって然るべきではないでしょうか。
朝起きたら洗濯物をしまいつつ洗面して着替えて、早く起きた人から朝食を作って食べて片付けて、といった動きに合わせた家が、私たちには必要でした。
家事をうまくシェアできない、といった悩みは、実はメイドと主人の立場を分けてしまう間取りから生まれているのかもしれません。