家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

「めんどくさい」と「わからない」が作るエベレスト級のハードル

労力を惜しむのは生きるためなの。仕方なし。

生きていくためには当然、得るエネルギー量が、消費するエネルギーを上回る必要があります。

だから人間は元々、なるべくラクをするようにプログラムされているのです。

世の中を変えた革新的なアイディアはいつも、そのほとんどが、何か労力のかかることを「よりラクに」してくれるものでした。

 

でも日本では特に、「頑張りやさん」が評価されやすい。

「丁寧な暮らし」が称賛されやすい。

ラクをしてはいけない」「ラクをしたいと思う人(自分)を許せない」と思う方は、まだまだ多いようです。

 

でもせめてご家庭の中だけでも、まずはラクをすることを自分に、家族に、許してあげてください。

そうすることが自然なヒトの姿ですし、より「ラクをする」方法を探すことこそ、生活をより良く変えていくきっかけになると私は思います。

 

ラクをしすぎて、もうちょっと手をかけないと生きてる感じがしないわ~ってくらいに一度楽になってから、丁寧にできるところを探したっていいと思います。

 

「労力」を侮ってはいけない!「労力」が作るのはエベレスト級のハードル

こちらの本を読んで、いかに人が「労力」によって行動を妨げられるか理解が深まりました。

ささいな工程がたった1つ増えるだけで、ほんの少しの所要時間が(数秒)増えるだけで、人が行動を躊躇する例がいくつも載っていました。

ADHDかどうかに限らずそうなのですから、ADHDの方(私たち親子含む)にはより一層当てはまってしまいます。

なので、この本の話を私なりに「お片づけに」置き換えたら?と考えたこと…

なぜ片付けられないのか?

どうしたら片付けられるのか?

をお話したいと思います。

 

「片付けられない!片付けてくれない!」と嘆く前に確認したいこと

どうして片付けられないんだろう?

どうして片付けてくれないんだろう?

と自分や家族を責める前に、片付け行動に対して、何が「抵抗」になっているかを考えてみましょう。

 

上の本によれば、人は求められる労力が大きくなればなるほど、より強く抵抗してしまうものだそうです。

 

労力には「苦労」と「茫漠感」という2つの側面があるといいます。

目標達成に必要な作業量が「苦労」だとすれば、目標達成の方法を知っていいるかどうかを示すものが「茫漠感」だ。

 

つまりカンタンに言うと、「めんどくさい」「わからない」この2つをどう乗り越えるかが、つい後回しにしてしまうお片づけを成功させる鍵となります。

①「めんどくさい」を乗り越えるには?

とにかく工程数と、収納場所への歩数を減らすことです。

ワンアクションでしまえるようになっていますか?

しまう場所までの歩数は何歩でしょうか?

 

代表的な例だと、引き出し収納は難易度が高いです。

①洋服を畳んで、②引き出しを引き出して、③きれいに並べて、④引き出しを閉じる。

これで4アクションもあります。

一方、余裕のある大きさの箱やかごに放り込み収納するだけなら、1アクションです。

シワになりにくいものなら問題有りません。

↑我が家の長男のロッカー。

靴を脱いだら3歩でロッカーにランドセルを置けるようにしました。

ランドセルは置くだけ、上着と手袋は放り込むだけにしています。

引き出しかごになりますので全部で3アクションですが、ハンガーにかけるよりカンタンだそうで、この方式に着地。

 

人によっては、ぐちゃぐちゃな見た目のストレスが、アクション労力を上回ることもあります。

その場合は、丁寧に畳んでしまう方が御本人の気持ちにとっては「ラク」なことも。

 

どんな方法が一番ラクにしまえるか、しまう場所までもっと近道できないか、ぜひご家族で話し合ってみてくださいね。

 

②「やり方がわからない」を乗り越えるには?

ロードマップを作りましょう。

片付けられない理由が、実はめんどくさいからではなく、「やり方がわからないから」だというのは大変よくあることです。

 

「どこに、どうやってしまうのか?」

「どの順番でするとスムーズにできるのか?」

「しまうのに、どれくらいかかるのか?」

「終わったら、どんな嬉しいことが待っているのか?」

これらがはっきりと、ひと目でわかるようになっていたら、きっと動きやすくなるはずです。

 

ご参考までに我が家でやってみたことをご紹介します。

玄関入って真正面にやることの図を貼りました。

靴をしまって、手を洗って、手紙を出して、洗い物を出して、鉛筆を削る。

を伝えます。

ロッカールームのお手紙受け&ランドリーBOXの場所に、やることのチェックリストを今度は文字で。

やることの量も、出すべき場所も、目でわかります。そして、終わったら遊べることを伝えています。

 

お片づけの山を登りやすく。

お片づけが得意な人は、なかなかお片づけが出来ない人を、こんな簡単なことがどうしてできないの?と不思議に思うかもしれません。

でも、「片付けてよ!」と叫んでみても、やることにストレスがあったり、やり方がわからない人は動けません。

できるだけ平坦な近道を見つけて、ロードマップを渡してあげましょう。

 

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