- ①まずはとことん自分を許す
- ②制度に頼る 自立支援、手帳申請、相談支援
- ③人に頼る 生活支援、家事支援、お料理・お掃除・お片付けサービス
- ④友人・家族に頼る
- ⑤アイテムに頼る 薬、ガジェット、アプリ
- ⑥簡単にできる仕組みを作る
- ⑦自分を俯瞰する時間を取る
- ⑧「あの家族ならしょうがない」の雰囲気づくり
- ⑨ユーモアとスパイスを忘れずに
- ⑩子の一番の理解者になる
①まずはとことん自分を許す
私たちは様々なことが簡単にはできません。
努力は多くの場合人目につきません。
これを今読んでくださっているあなたは、これまで、人生の色々な場面で挫折を味わい、その都度傷ついてきたかもしれません。
でも実際、私達は何度も何度もチャレンジしてきたし、本当によく頑張ってきましたよね。
自分のことをまずは、たくさんたくさん愛おしく思ってあげてください。
自分のことを認めてしっかりと労って愛おしく思えないとどうなるか。
自分と似た子を愛せなくなります。
認められず、労われず、愛されない子がどうなるか、ご自身が一番良くわかっているはず。
どうか自分の子を愛するために、まずは自分をとことん愛してあげましょ!
理想論ではなく、事実必要なことだと私は思います。
②制度に頼る 自立支援、手帳申請、相談支援
十分頑張ったことを自分に認めてあげられたら、「人に頼る」ことがやっとできるようになります。どんどん頼ってください。使える制度は使い尽くしましょう。
まずはお近くの役所・役場に「相談支援を受けたい」と電話するなり訪問しましょう。
そして、自分と子がどのような支援を受けられるか教えてもらいましょう。
支援や手帳の申請手続きを手伝ってもらいましょう。
精神科に通っているなら自立支援は必ず受けましょう。
③人に頼る 生活支援、家事支援、お料理・お掃除・お片付けサービス
役所を通じて申請手続きをすることで、生活支援や家事支援などを受けられる場合があります。
申請が受理されなかったとしても、金銭的余裕があれば苦手な家事はさっさと外注しましょう。
確実にラクになれるはずです。
④友人・家族に頼る
プロに頼まなくても、信頼できて自分の特性を理解してくれている家族や友人がいれば、その人達に助けや手伝いを頼むのも良いでしょう。(お礼はしっかりと)
一人だとできないことも、一緒にやってもらえれば、人の目があれば、力を発揮できる方は少なくありません。
⑤アイテムに頼る 薬、ガジェット、アプリ
「必死に」、「気合で」、「一生懸命」…そんな精神論に任せる方法は疲弊を招くだけだと感じています。
ツールをかしこく使うことが現実的です。
薬を適切に服用できれば体が楽になり判断力が上がります。
家電、カレンダーやリマインダーを使いこなすことができるようになれば、困りごとは減っていきます。
この時代に生まれ色々なお助けアイテムを使える私たちは幸運です。
⑥簡単にできる仕組みを作る
どうしたら「分かりやすく、簡単に、ラクに」できるかを考えます。
常識や慣習に囚われず、人の評価を気にせず、そもそもこれ(手の込んだやり方、維持に労力・お金・感情・時間のコストがかかるもの)は本当に自分が望んでやっているのか?
本当に自分にとってなくてはならないものなのか?
考えてみてください。
自分にとって価値のないことに限りある貴重な力を割いていることに気がついたら、どんどんやめてシンプルにしましょう。
暮らし方をシンプルにしておけば、助けてもらいやすくもなります。
⑦自分を俯瞰する時間を取る
そのようにして作った時間を、セルフケアにも充てましょう。
ADHDの影響のある方は自己観察が苦手だと言われています。
意識して自分を俯瞰することを忘れないようにする必要があります。
気が付かないうちに疲れが溜まっていませんか?
我慢している感情はないですか?
自分の好きなことをする時間は確保できていますか?
はたまた自分の好きなことってなんだったか思い出せますか?
これから望むことはなんですか?
今やっていることは、長期的な目標につながりますか?
⑧「あの家族ならしょうがない」の雰囲気づくり
親も子も忘れ物だらけだったり、時間に遅れてきたり…
大事な場面では当然避けたいことですが、そんなことで今の時代に人格否定や差別を受けることは少ないでしょう。
「脳の問題」だと言う話は普及しています。
わかってくれる方が着実に増えています。
ご迷惑をかけてしまったら素直に謝って、でも落ち込みすぎず。
前向きな具体策を取って行動で示せていて、いつも楽しそうにしている家族なら、「あぁ、〇〇さんちならしょうがない」って温かく見守ってもらえるんじゃないかと私は信じています。
⑨ユーモアとスパイスを忘れずに
私たちADHDの敵。それは、「飽き」ではないでしょうか。
見慣れたことには興味を失ってしまいます。
興味を失ってしまうと実行機能が動いてくれません。
日常に、ゲーム感覚や音楽、タイマーを使った時間制限、新しい方法、新しいレシピ、新しい習慣を取り入れ、適度に入れ替えをしましょう。
日本に住んでいれば四季が味方になってくれます。
春・夏・秋・冬の行事やアクティビティを楽しんだり、それに合わせて模様替えしたり。
お金をかけなくても、工夫すれば楽しめることはたくさんあります。
ユーモアとスパイスを日常に散りばめて、キラキラさせることが大真面目に大切です。
⑩子の一番の理解者になる
遺伝、それは確かにあるようなのです。
自分の特性が、親から受け継いだものであること、子に受け継がれたことを実感することが多々あります。
そうであれば、子の苦労や頑張り、その痛みは自分が一番わかってあげられるはずです。
失敗を防ぐ対策はするけれど、もし失敗しても、一緒に泣いたり笑ったりしましょう。
一人じゃないこと、いつも一緒に頑張っていることを親子で分かち合えたら、とても素敵なことです。
「〇〇〜、これ忘れてるよ!」「お母さんもこれ忘れてるよ!」
「これ、すぐやらないと絶対私たち忘れるね!今やろ!」
なんてお互いに助け合うやりとりをする毎日は楽しいです。
おまけ。3度目の正直で水筒を持って帰ってこれた息子に拍手喝采した夕方のひととき