家は味方

ADHD親子の、片付けられる家。

「家は味方」にするレシピ。 頑張らなくても回る、脳と暮らしの整え方

はじめに:家は「戦う場所」ではなく「助けてくれる場所」

以前の私は、苦手なことや刺激から身を守るために「家は武器(要塞)」だと思っていました。

でも、今は少し違います。 私が頑張らなくても、家が勝手に私を助けてくれる。
「家は味方」。そう思えるようになってから、暮らしはもっと優しく、楽になりました。

今日は、私が実践している「家を味方にするためのレシピ」をご紹介します。
料理と同じで、下ごしらえ(思考の整理)と、味付け(感覚の調整)がポイントです。


レシピ①:思考の下ごしらえ「そもそも」と「分け分け」

家を味方にする前に、まず自分の頭の中にある「重たい思い込み」を軽くします。
私がよくやる思考の整理法、それが「そもそも」と「分け分け」です。


例えば、「愛情を込めた手作り料理」という言葉。
お母さんならこうあるべき、という呪いのような言葉ですよね。
これを料理してみましょう。


1. 「そもそも」で問う(前提を疑う)
• そもそも、料理が苦手な私に、それを毎日続ける能力やキャパシティがある?
• そもそも、それは今の生活で「持続可能」なこと?
ここで「無理かも」「苦しい」と気づくことがスタートです。


2. 「分け分け」で刻む(要素分解)
次に、「愛情を込めた手作り料理」という塊を、包丁で刻むように分解します。


• 愛情
• 手作り
• 料理(栄養・美味しさ)

こうして分けてみると、解決策が見えてきます。

 

• 「愛情」は料理じゃなくてもいい: 笑顔で話を聞くことや、ハグすることでも伝わりますよね。私が疲れてイライラして料理するより、惣菜でも笑顔で食卓を囲むほうが「愛情」に近いかもしれません。


• 「手作り」は私じゃなくてもいい: ホットクック(調理家電)が作った料理だって、立派な手作り。私が火の前に立つ必要はありません。


• 「料理」は一汁一菜でいい: 栄養が足りていれば、品数が少なくても大丈夫。週末だけ外食でご馳走を食べてもいい。


こうして「現実的な落とし所」を見つけること。これが、家を味方にするための最初の一歩です。

2026年我が家の家電状況。

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レシピ②:不快を取り除く「感覚の引き算」

思考が軽くなったら、次は身体への負担を減らします。

私たち(特に感覚過敏やボトムアップ型の人)にとって、家の中の「不快」は、知らぬ間にHPを削る毒のようなもの。徹底的に取り除きます。

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• 視覚ノイズを減らす: 色が溢れるパッケージや、出しっぱなしのモノは「隠す収納」へ。目に入る情報を減らすだけで、脳のクールダウンになります。

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• 嫌な音・感触を和らげる: カチャカチャうるさいハンガーや、肌触りの悪いシーツ。これらを「柔らかい素材」「心地よい布」に変えるだけで、家が優しくなります。

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• 香りのゾーニング: 我が家では、匂いに敏感な長男のために、リビングでは香りを使いません。その代わり、トイレや私のメイクルームなど「限定された場所・時間」だけで香りを楽しむ。これで家族みんなが快適に過ごせます。

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レシピ③:リズムを整える「光の処方箋」

最後は、生活リズムの調整です。 実はここが一番切実な部分かもしれません。

ICDの講義で衝撃的な事実を学びました。 なんと成人のADHDの約80%に「慢性的に夜型になる(概日リズムの遅れ)」傾向があるそうです。
つまり私たちは、毎日「時差ボケ」のような状態で戦っているのです。


さらに、睡眠不足は「片付ける能力」を奪うだけでなく、ホルモンバランスを崩し、「肥満」や「生活習慣病」のリスクを直接的に高めることも分かっています。

痩せたい、健康でいたいと願うなら、食事制限よりもまず「寝ること」が特効薬なんです。


とはいえ、気合で早起きはできません。だから私は「光」をコントロールして、脳を騙します。


1. 「上からの光」を消す

我が家の寝室には、天井照明(ダウンライト)がありません。 夕方以降、上からの強い光を浴びると、脳は「まだ昼間だ!」と勘違いして、眠気のホルモン(メラトニン)を止めてしまうからです。 低い位置の間接照明の、オレンジ色の穏やかな光の中で過ごすこと。これだけで、脳は「そろそろ夜だね」と安心してくれます。

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2. スマホは「ナイトモード」一択

寝る前のスマホは良くないと分かっていても、見てしまいますよね。

だから私は、スマホの設定を「ナイトモード(暖色系の画面)」にしています。
ブルーライトは、メラトニンの最大の敵。
せめて色味を変えて、脳への刺激を少しでも減らす。これも現代の生存戦略です。


3. 「眠くない」を信用しない(低登録への対策)

私は疲れに鈍感(低登録)なので、限界まで動いてしまいがちです。
でも、「眠くないからまだ平気」は嘘。脳が興奮して麻痺しているだけです。
だから、「眠くなったら寝る」ではなく、「時間になったら、眠くなくても暗い部屋に行く」。 これを家(環境)に強制してもらうことで、私はなんとか自分と家族の心身の健康を守っています。

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おわりに:家が「後押し」してくれる

• 思考を分解して、荷を下ろす。

• 不快な感覚を取り除き、脳のリソースを守る。

• 照明とナイトモードで、切実に睡眠を確保する。


これが、私が実践している「家を味方にするレシピ」です。 私が頑張って管理するのではなく、家という環境に「生活を守る後押し」をしてもらう。

あなたも、まずは「そもそも、これ必要?」と問いかけるところから、家との新しい関係を作ってみませんか?

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【参考文献・出典】 Based on content from the ICD class "ADHD, Circadian Rhythm, Sleep & Health" by J.J. Sandra Kooij, MD, PhD.
※本記事は学習内容に基づく個人の考察であり、医学的な診断やアドバイスではありません。

「元気に見えて、突然倒れる」のはなぜ? 片付けで脳がガス欠する「ボトムアップ×低登録」の真実

はじめに:私たちの「あるある」は、脳のタイプの違いだった

「片付け本通りに『全部出し』をしたら、途端に頭が真っ白になった」

「作業中はすごく楽しかったのに、数日後に謎の体調不良やメンタル崩壊が起きた」

こんな経験はありませんか? 私は以前、片づけられなくて悩んでいてたときはずっとこうでした。
これを自分の「根性のなさ」や「気まぐれ」だと思っていました。


でも、今日ICD(Institute for Challenging Disorganization)の講義で学んで、やっとその正体が分かりました。
私の脳の「情報処理」と「感覚センサー」のタイプが、世の中の標準と少し違っていただけだったのです。


今日は、私に似たタイプの方へ向けて、私たちが陥りやすい「見えない落とし穴」と、そこから抜け出すための脳の取扱説明書をシェアします。


「とりあえず全部出す」が私たちを殺す理由(ボトムアップ処理)

まず知っておくべきなのが、私たちの思考スタイルである「ボトムアップ処理」です。

  • トップダウン(一般的な片付け術): 「理想の部屋(全体像)」を先にイメージして、そこから逆算してモノを動かす。
  • ボトムアップ(私たち): 目の前の「このペン」「この手紙」という詳細を積み上げて、結果的に「全体像」が出来上がる。


私たちは「詳細」からしか情報を処理できません。

だから、片付け本が言うように「引き出しの中身を全部床にぶちまける」とどうなるか?
床に広がった大量のモノ(=膨大な詳細情報)が一気に脳に流れ込み、処理落ち(フリーズ)して動けなくなるのです。

これを防ぐには、「全体を見ない」勇気が必要です。
目の前の小さな箱一つだけに集中する。それが私たちにとっての正解かもしれません。


アクセル全開・ブレーキ故障の危険なコンビ(感覚探求×低登録)

さらに厄介なのが、感覚の特性です。 「ダンの感覚処理モデル」という理論によると、私は以下の2つを併せ持っていました。

  1. 感覚探求(Sensation Seeking):アクセル 「刺激が欲しい!」「触って確かめたい!」と能動的に動く。
  2. 低登録(Low Registration):ブレーキの故障 「疲れた」「不快だ」という身体のサインに気づくのが遅れる。

 

この組み合わせを持つ人は、片付け中に部屋中のモノを触りまくり、動き回ります。一見、すごくエネルギッシュで楽しそうです。

でも、実はその裏で、脳は視覚的な散らかり(Visual Clutter)や触覚の刺激によって確実にダメージを受けています。

 

「低登録」の人は、防御反応が遅れます。

その場では「楽しい!まだいける!」と思っていても、脳のキャパシティはとっくにオーバーしています。

そして、すべてのエネルギーを使い果たし、突然エンジンが停止するように「燃え尽き」が訪れるのです。


「後からくる爆発」を防ぐ唯一の方法

「楽しかったのに、なぜか3日後に爆発する」。
この時差爆弾を防ぐには、「自分の『疲れた』という感情を信用しない」ことです。


残念ながら、私たちの「疲れセンサー」はポンコツです…。
センサーが反応した時には、もう手遅れなんです。
だから、感情ではなく「物理的なサイン」と「環境」を頼りにします。

  • 「決断」ができなくなったら即終了: 「これ捨てる?」「夕飯何にする?」という簡単な問いに答えられなくなったら、脳が「圧倒」されている証拠です。
  • タイマーという「外部ブレーキ」を使う: 自分の感覚ではなく、時計に従って強制的に休みます。
  • オリエンテーションでリセット: 休憩中はスマホを見ず、水を飲んだり、頭を左右に振って部屋を見渡したりして、神経系を物理的に落ち着かせます。


「安心感」がないと、片付けは始まらない

最後に一番大切なこと。
それは「自分のやり方を許すこと」が、脳にとって最大の「安心感」になるということです。

「いちいち触らないと分からない」なら、触っていいんです。
「少しずつしか進まない」なら、それでいいんです。


私たちの脳は、安心を感じた時に初めて、正常に機能します。

「こうあるべき(トップダウン)」を押し付けず、自分の脳が「心地よい」と感じるペース(ボトムアップ)を守ってあげること。
それが、遠回りに見えて一番の近道なのだと思います。

おわりに

もしあなたが、「元気そうに見えるのに、すぐ倒れる」と自分を責めているなら、どうか知ってください。

あなたは怠け者ではありません。感度がちょっと特殊な、高性能なマシンに乗っているだけです。
これからは、壊れたメーター(感覚)を当てにせず、こまめにメンテナンス(休憩)を挟みながら、あなたらしい走り方を見つけていきましょう。


【参考文献・出典】

Based on content from the ICD class "Understanding How Sensory Differences Impact Autistic Clients" by Elizabeth Brink, PCC, SEP, CNC.

※本記事は学習内容に基づく個人の考察であり、医学的な診断やアドバイスではありません。

「家は武器」から「家は味方」へ。「強くなりなさい」という言葉に傷ついた私が、自己実現の土台を作るまで

黄色い消毒液と「強くなりなさい」と言われたあの日

私の記憶の原風景は、ベタベタして臭うアトピーの薬と、黄色い消毒液の冷たさです。

母が毎日塗ってくれるワセリンは、子供心に疎ましくて仕方ありませんでした。

8歳くらいからかな。毎晩自分で全身の保湿と薬の塗布。 正直、面倒で、泣くほど嫌でした。

けれど、一晩でもサボれば、翌日には肌が「マイナス」にまで荒れ狂う。

逃げ場のない日々の中で、心ない言葉を浴びせられたことも何度もありました。

修学旅行で顔がただれ、泣き崩れる私に、先生はただこう言いました。

「強くなりなさい」

でも、本当に必要だったのは、根性論ではなく「自分を助ける具体的な仕組み」だったのです。

 

睡眠学習の齋藤さん」と呼ばれた学生時代

学校生活も散々でした。 自分の興味のあることしか覚えられない。

数字に弱く、流行りに疎く、動きもとろい。

忘れ物や遅刻は日常茶飯事で、授業中は寝てばかり。

睡眠学習の齋藤さん」――小・中・高・大と、違う先生から同じあだ名で呼ばれました。

自分の部屋は、歩くことすらままならないほど散らかっていました。

 

「普通」になれなかった、四戦全敗の20代

社会に出た私を待っていたのは「社会不適合者」であるという現実でした。

 

百貨店時代: 憧れの美術工芸品に囲まれても、マルチタスクができずミスばかり。

事務職時代: 興味が持てない数字を前に、隣で先輩が教えてくれているのに寝てしまう。

専業主婦時代: 育児と家事のマルチタスクで脳が「ゼロリセット」され、毎日パニック。

 

どんなに頑張っても、マイナスからゼロにもたどり着けない。
34歳でADHDの診断をもらうまで、「言い訳せず努力しなければ」とずっと自分に言い聞かせて足掻きましたが、変わることはできませんでした。


「ふつう」を諦め、自分なりの方法を見つける

「なんで私、何もかも普通にできないんだろう」 そんな絶望の中にいた私に、光をくれたものが2つあります。

一つは、美術館。

私が心安らげる場所は、いつも美術館でした。

その静寂の中では、誰も私を評価しない。「ふつう」という正解がない世界。

自由を感じられ、自分のペースや感じ方を尊重できる唯一の場所だったのです。

「惨めな生活も、切り取り方(解釈)次第。何でもない風景も、いつかきっとアートのように美しく見えるはずだ」という希望をくれました。


そして背中を押してずっと支えてくれたのは、夫でした。

「手作りじゃなくていい。理想の母親にならなくていい」

その一言で、私は「普通」になろうと足掻くことをやめ、生き抜くための「装備」を整える決意をしたのです。

 

そこから私の猛勉強が始まりました。 勝間和代さんやちきりんさん、認知行動療法やビジネス本、育児本、間取りや収納、家造りのこと……。

 

ADHDという特性を持つ私が、壊れずに生きていくためには、精神論ではない「具体的な助け」が必要でした。

そこで私は、憧れや常識を捨てて、家を徹底的に「自分を助けるための武器」として改造し始めました。 キッチンからコンロをなくし、巨大ロッカールーム設置、洗濯~乾燥~しまうまでを一つにした部屋、13台のアレクサ。

「丁寧な暮らし」ではなく、「私が壊れないための要塞」を作る。 その実験の記録をブログ「家は武器」に綴り始めたことが、私の新しい一歩でした。

 

「プロの知恵」との出会い、そして支援の道へ

そんな時、X(旧Twitter)で出会った方から教わったのが「ライフオーガナイザー」という仕事でした。しかもそこではアメリカのICD(慢性的な生活の混乱と困難に関する専門組織)の知識が学べると。

「自分の体験だけでは、自分と同じ悩みを持つ誰かを救うには足りないけれど、 体系的な専門知識を掛け合わせれば、誰かのお役に立てるかもしれない」 それは、人生で初めて感じた、大きな希望でした。

それぞれの特性や個性に合わせる「環境調整」の重要性を学び、プロとしての活動を歩み始めました。

まだ走り始めて1年5ヶ月ですが、ご縁は広がり、青森から長崎、そしてフィンランドまでのお客様をサポートさせていただけるようになりました。

フィンランドでの片付けサポート

 

また、ADHDの片付け界で著名な西原三葉さんや、発達障害のタスク管理で知られる小鳥遊さんとも活動を共にさせていただく機会に恵まれました。

 

さらに2025年には、「一緒に自信を育むオンラインお片付け会」の取り組みが、「JALO SDGs アワード」にて審査員特別賞を受賞するという、身に余る光栄を授かりました。


かつて「社会不適合」だと自分を責め、部屋の隅で泣いていた私が、こんなに広い世界で、様々な方と一緒に充実した活動ができている。

その事実は、今でも信じられないほど大きな、私の支えになっています。

 

武器を置いて、味方と歩む新しいチャプター

これまでの私は、生きづらい世界から身を守るために、家を「武器」として尖らせてきました。

けれど、今年もうすぐ40歳になる今。

毎日欠かさず保湿し続けた肌は、人生で一番きれいな状態になりました。

家という仕組みは自動で回り、ふと、私はもうファイティングポーズを取り続けなくていいのだと気づいたのです。
家は私にとって、家族のありのままを支え、自己実現を応援してくれる「味方」のような存在となっていました。

 

「家は武器」から、「家は味方」へ。

今の私にあるのは、まだようやく整った「土台」です。 でも、この仕組みという土台の上に、これからどんな「生活のアート」を築いていけるだろうか。それを想像するのが、今はとても楽しみです。

本日を持って、ブログ名も「家は武器」から「家は味方」に変更いたします。

 

かつての私のように、暗闇で立ち尽くしている方へ。

まずは、あなたが壊れないための「仕組み」という土台を、一緒に作ってみませんか。

そこから先の景色を、いつか一緒に見られる日を願っています。

奥にコンロをなくしたキッチン。

【2026保存版】ADHDの私が「壊れない」ためのタスク管理術(全5回)【第5回:完結編】

小鳥遊さん『タスク管理は、最終的に「エンタメ」になる。』1年続けてわかった、お金も時間もかからない「脳へのご褒美」

「生き残るため」「パニックにならないため」に必死で始めたタスク管理。

1年間続けてみて、私の生活はどう変わったか。

結論から言うと、「毎日がちょっとしたゲーム(エンタメ)」になりました。


タスク管理の大先生、小鳥遊(たかなし)さんが昨日のイベントでおっしゃっていた

「タスク管理は最終的にエンタメになると思う」

というお言葉。今なら全力で頷けます。

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最終回は、私が手に入れた「5つの劇的ビフォーアフター」と、なぜそれが「楽しい」のかについてお話しします。

 

変化1:PCが「相棒(ボディダブル)」になった

ADHDには、誰かがそばにいるだけで作業が捗る「ボディダブル(Body Doubling)」という手法が有効だと言われています。

私にとって、Task Walkを開いたPC画面がまさにそれでした。

画面上のタスクリストが「次はこれだよ」「今ここだよ」と常に見守ってくれる。

PCが「無言の監視役」ではなく「頼れる伴走者」のようになり、一人での作業でも孤独を感じなくなりました。


変化2:積読解消&試験合格!「攻略」のゲーム化

「読みたいけど読めない本」「やらなきゃいけない試験勉強」。

これらをタスク管理コンサルトでTask Walkの開発者である嵯峨さんに、巨大な敵のままにせず、倒せるサイズに分解してもらいました。

 

  • 攻略法:
        ◦ プロジェクト名:「読書」
        ◦ タスク名:「本のタイトル」
        ◦ サブタスク:「30時間25ページ読む」× 必要回数分


巨大な敵を、ワンパンチで倒せるスライム(サブタスク)に分解する。

これをポンポンと潰していく感覚は、まさにRPGのレベル上げです。

重圧でフリーズすることなく、ゲーム感覚で進めた結果、昨年試験にも合格できました。

 

変化3:ブログ執筆が「爆速」になった(クリエイティブのレシピ化)

以前は何日もかかっていたブログ執筆。

アイディアはあっても、「下書きして…あ、画像も必要だ。どこの画像サイトだっけ…次はどうするんだっけ…」と毎回悩みながらで、途中で力尽きていました。

そこで、ブログ執筆という「創造的な作業」も、型を作って「サブタスク化」してみました。

(ちなみに下書きは「ブログ下書き」として分けていて、構想→AIと壁打ち→などの順序が別のタスクとしてあります)


あらかじめこの「手順書」を登録しておき、書くときは上から順にチェックしていくだけ。

「次はどうするんだっけ?」と思い出す時間がゼロになり、脳のエネルギーを「文章の中身」だけに集中できるようになりました。


変化4:掃除が「自動化」され、部屋が荒れなくなった

「掃除しなきゃ」と意志の力で動くのをやめました。

アプリに「1階ルンバを回す」「キッチン・ダイニングリセット」などのルーティンを登録し、ルーティンタイムには、何も思い出さず考えず、体を動かすだけ。

苦労して掃除している感覚はないのに、気づけば「最低限のきれい」が勝手にキープされている状態になりました。

同じ方法で体重記録やジャーナリングなど、これまでになかった習慣をルーティンに組み込むことに成功。

もちろん、できない日もあります。

でも毎日ルーティンが表示されるので、「そのときまたやればいい」と自分を責めずにいられることで、結果的にやれる回数が増えています。

 

ご参考までに我が家の夜のルーティン↓


変化5:人間関係が穏やかに(不機嫌の解消)

これが一番嬉しい変化かもしれません。

以前は頭の中がタスクでパンクしていて、家族に話しかけられると「今忙しいのに!」とイラッとしていました。

今は、やるべきことは全てアプリに入っているので、脳内は静かです。

「忙しい時に話しかけられてパニック」が減って、家族に対して穏やかに接することができるようになりました。

タスク管理は、家族の笑顔を守るツールだったのです。

 

結論:チェックボックスは「脳への報酬」である

なぜ、こんなに続いたのか。(私が1年続けられるって凄いことなんですよ!)

それは、チェックボックスをタップして、「チェックマーク」が入る/もしくは完了なら「消去線(取り消し線)」が入る瞬間が、たまらなく気持ちいいからです。


ADHDの脳は「報酬(ご褒美)」がないと動きにくい特性があります。

高価なものを買わなくても、誰かに褒められなくても。

「完了(✔)」のマークがつくだけで、脳には「達成感」という報酬(ドーパミン)がジュワッと出ます。

 

お金も時間もかからない、自家発電できる最高のご褒美。

これがあるから、私は今日も喜んでタスクというモンスターを倒しに行きます。

「壊れないため」に始めたタスク管理は、いつしか私の人生を彩るエンターテインメントになっていました。

あなたも、このゲームに参加してみませんか?

私をここまで導いてくださった方々

タスク管理の大先生、小鳥遊先生

taskdesignlab.com

Task Walk開発者で、毎週コンサルしてくださった嵯峨先生

www.taskwalk.com

本当にダメダメだったところから時間の片づけについて教えてくださった戸井先生

jalo.jp

去年犬を買うことになり、「犬の散歩」「トイレ掃除」というNEWタスク:黒船来航への対処を教えてくださった花村先生

jalo.jp

そして、なにに時間を使うべきか?私のメンタルをオーガナイズしてくれた、さらにタイムブロックについて教えてくださった吉村先生

jalo.jp

 

そして、いつも時間が溶けてパニックになっても支えてくれた夫、子どもたち、母に心からの感謝を。

【2026保存版】ADHDの私が「壊れない」ためのタスク管理術(全5回)【第4回】記録・セルフケア編

記録は「自分への愛」。事実を見て、自分を許し、自分を休ませる技術

タスク管理というと「自分を厳しく律するもの」と思われがちですが、私の使い方は逆です。

記録(ログ)をとることは、自分を責めるためではなく、自分を助けるため(自分への愛)に行います。


行動ログで「事実」を知る

ADHDの特性を持つ私たちは、感覚で生きている分、「事実」を誤認しやすい傾向があります。

「今日も何もできなかった……」と落ち込む日も、記録を見返せば意外と家事をこなしていたりするものです。


私はTask Walkを使って、日々の行動ログを取るようにしました。

SNSサーフィン 30分」「ぼーっとしていた 15分」といった時間も、正直にTask Walkに記録しています。

前日飲み会があったので、今朝はダメダメでした笑。

でも、これを「サボった」と自分を責める材料にはしません。

「なぜか時間がない」という謎が解ければ、自分を責めなくて済むからです。

「ああ、私は疲れていて、これだけの休憩が必要だったんだな」と事実を受け入れる。

それが次回の計画を立てる時の貴重なデータになります。

 

実績:記録だけで本当に変わった

「記録するだけ」の効果は絶大でした。

  • 体重測定ログ
    「太ったかも」と直視するのを避けていた体重を、朝のルーティンに組み込み、毎日淡々と記録し始めました。
    事実を見ることで自然と自制が効き、3ヶ月で3kgの減量に成功しました。(本当に)

  • SNS無限スクロールの克服
    「オンラインショッピング(テム) 4時間25分」というログを目の当たりにして愕然としました…。疲れているときこそ、一晩中止まらないことがけっこうあったんです。
    でも、事実を直視したことで、これもまた不思議と自制が効くようになり、目的を持って閲覧するようになり、多くても2時間くらいに収まるようになりました。

記録は、現実を変えるための最強のスイッチだと確信してしまいました…。

 

「余白」を先に予約する

ADHDの脳は、電池切れになるまで走り続けてしまいがちです。

過集中で突き進み、突然プツンと電源が落ちる。

これを防ぐためには、先回りして充電する必要があります。


だからこそ、タスクを入れる前に、まず「余白(ホワイトスペース)」や「セルフケア」の時間をスケジュールに入れてしまいます。

これを「自分への支払い(Pay Yourself First)」と呼ぶそうです。

「時間が余ったら休もう」ではありません。「休むために時間を確保する」のです。

これが強制終了(パニック)を防ぐ唯一の方法です。

急に倒れたとき、困るのは自分だけではありません。大切な人たちも守れなくなってしまいます。だからこそ。

 

ご参考までに私のセルフケアリスト↓

疲れた時の「メニュー表」を用意する

決断疲れがピークの時は、「どうやって休むか」さえ決められません。
結果としてスマホの無限スクロールなどに逃避してしまいます。

そんな時のために、「コーピングリスト(ご機嫌リスト)」を作っておきます。


• 好きな映画を見る
• ちょっと高級なチョコを食べる
• 散歩に行く

などなど。


疲れた時は、このメニュー表から指差しで選ぶだけ。

自分の脳をメンテナンスすることは、贅沢ではなく、ADHDの脳を機能させるための「必須業務(燃料補給)」なのです。

ご参考までに私のご褒美リスト↓

結び:希望をつなぐツールとして

カオスな日常の中で、タスク管理は単なる事務処理ではありません。

「いつかやりたいこと」をタスクとして残し、母や妻としての役割だけでなく、個人の人生が消えていないことを確認する。

私にとってタスク管理は、カオスな日常を生き抜くための「希望をつなぐツール」なのです。

 

次回はいよいよ最終回。 義務感で始めたタスク管理が、いつしか「エンタメ」に変わったお話をします。お楽しみに!

【2026保存版】ADHDの私が「壊れない」ためのタスク管理術(全5回)【第3回ツール・実践編】

私のPCの中身を公開。「Googleカレンダー」だけでは足りない理由(2026現在)

「タスク管理なんて、GoogleカレンダーとToDoリストで十分では?」
そう思う方もいるかもしれません。

 

でも、私にはそれだけでは不十分でした。 今回は、私が愛用しているアプリ「Task Walk」と「Alexa」の使い分けについて、その理由とともにお話しします。


なぜ「Googleカレンダー」一本にしないの?

我が家は5人家族。Googleカレンダーには家族全員の予定が入っています。

ここに、私の細かい「行動ログ(歯磨き、SNS、休憩など)」まで書き込むとどうなるか……。

カレンダーが文字と色で埋め尽くされ、「子供の個人面談」のような絶対に外せない予定が見えなくなってしまうのです。

 

ADHDの脳にとって、視覚的なノイズ(ごちゃごちゃ)はパニックの元です。

  • Googleカレンダー: 家族と共有する「場所と時間の約束」
  • Task Walk: 自分だけの「行動のコックピット」


このように情報を住み分けさせることで、脳の混乱を防いでいます。

また、Task Walkは「プロジェクト」を階層化できるため、例えば「片付け」のような大きなタスクを「棚の上の本を出す」といった小さな手順に分解するのに最適なのです。

 

Step 1:思いついたら即「Alexa」(記憶の外部化)

私たちの脳のメモリ(ワーキングメモリ)はとても小さいです。

「あ、洗剤買わなきゃ」「あ、あれやらなきゃ」「あ、あれやりたい」と思っても、3歩歩けば忘れてしまいます。

だから、思いついた瞬間に「アレクサ、買い物リストに洗剤を追加して」と叫びます。(実は我が家にはアレクサが13台もあります。これはやりすぎですが。。。)

もしスマホアプリにメモしたらどうなるか。

違うアプリに目が行って、メモを忘れてSNSサーフィンが始まってしまうかもしれません。

だからこそ、スマホを開く手間さえ惜しむ。これが記憶の蒸発を防ぐコツです。

 

Step 2:Task Walkへの「転記」と「全出し」

Alexaに溜まったメモは、1日2回の「状況整理タイム」にTask Walkへ転記します。
各プロジェクトへの振り分け、タスク分解、それをスケジュール。

仕事、家事、子供の予定、犬の世話、そして「イエローリスト」のモヤモヤまで。

頭の中にある全てをアプリ(外部脳)に出し切ることで、脳は「覚えておかなくていい」という安心感を得て、目の前のことに集中できるようになります。

私のプロジェクト一覧。生活の行動すべてが入っています。


Step 3:アイデアの「棚卸し」と「手放し」

私たちADHDは、次々と新しいアイデアが浮かびますが、全てを実行することはできません。
STEP2の時点で「最優先(人に関わる/締め切り有り)」のもの、「今月やりたいこと(プライベート/仕事)」に振り分けたとき、どうしても余るものもでてきます。

そこで、思いついたけれどすぐにやる必要のないようなアイデアは、一旦すべてTask Walkの「保留アイディア」リストに放り込みます。

そして月に一度、このリストを見直す「棚卸しタイム」をスケジュールしています。

リストをもう一度見返して、「あ、これもう興味ないな」「やらなくていいや」と思ったものは、容赦なく削除します。

この「手放す作業」がとても大切です。
リストの中身もお片付けして新陳代謝させることで、脳が「やらなきゃいけないこと」で埋め尽くされるのを防ぎます。

 

Step 4:中断しても大丈夫な「しおり機能」

子育て中は「中断」の連続です。会社でお仕事されている方もそうだと思います。

作業を中断すると「どこまでやったっけ?」と記憶がリセットされ、やる気も消えてしまいます(ゼロリセット現象)。

Task Walkなら、中断する時に「ここまでやった」とログを残せます。

これが本の「しおり」の役割を果たし、再開するときに「続きからやればいい」とすぐに思い出せて、すんなり再開できるのです。

また、「できなかった」ではなく「ここまで頑張った」という記録が、自己肯定感を守ってくれます。

 

例えば、今朝はすごく眠くて朝グダグダしてしまいました。

昨日「自分だけのタスク管理を掘り起こす休日」というイベントがあり、夜遅くまで皆さんで食事していたからです。(凄く楽しかった!)

慌ててホテルのチェックアウトに間に合わせるため、朝のルーティンは途中で止めました。

 

ちなみにこれは私の平日朝のルーティン。できるところからやって、今日やらなくていいものは「外す」ボタンで消し、やり切れなかったことはそのままで一番下の中断機能を押すと、

本日(日曜日のカレンダー)。終わらなかったルーティンは、現在時刻から再開できるように表示されます。
ちゃんと次何をすればいいか一目でわかるように記録が残るので、罪悪感なくリスケできるのが好きです。

まとめ

私のタスク管理は、効率化のためではありません。 「過集中から戻ってくるための命綱」であり、「中断しても大丈夫と思えるためのお守り」です。

次回は、最後の画像のように行動ログを取ることの効果をご紹介します。

【2026保存版】ADHDの私が「壊れない」ためのタスク管理術(全5回)【第2回】戦略編

パニックを防ぐ3つの「防具」。時間盲と衝動性から自分を守る方法

前回は、タスク管理を「防具」と捉えるお話をしました。

今回は、ADHDの特性である「時間盲」や「衝動性」から身を守るための、具体的な3つの防具(戦略)をご紹介します。


防具1:時間の「枠」を作る(時間盲対策)

ADHDには「時間盲」という特性があり、「今」に没頭しすぎて未来が見えなくなったり、時間の長さが感覚的に掴めなかったりします。

気づいたら「もうこんな時間!?」と絶望するのを防ぐために、私は「タイムブロック」という手法を使っています。

  • やること: 1日のルーティンを「朝の家事ブロック」「仕事ブロック」のように塊(ブロック)で捉え、アプリ上で視覚化します。
  • 効果: 形のない時間に「枠」をつけることで、「この枠からはみ出したらマズイ」という感覚を視覚的に脳に伝えます。

 

防具2:感情のブレーキ「イエローリスト」

余裕がない時、家族に対して衝動的にキツイ言葉を言ってしまうことはありませんか?

ADHDの脳は、感情のブレーキ(抑制制御)が利きにくい特性があります。

これを防ぐのが「イエローリスト」です。

  • やり方: 夫に言いたいことや聞きたいこと、衝動的に「欲しい!」と思ったものを、相手にぶつける前に「一旦アプリのリストに書き出す」。
  • 効果: 書くという行為が脳に「一拍」を与えます。
    このわずかな時間の間に、理性の脳が感情に追いつき、「あ、これは言わなくていいな」と冷静になれるのです。
    これは家族を守るための大切な防具です。

これは、ジュリエット・ファント氏の著書『WHITE SPACE(ホワイトスペース)』でも紹介されているメソッドです。

 

防具3:過集中からの帰還「状況整理タイム」

過集中(ハイパーフォーカス)に入ると、私たちは空腹もトイレも忘れて没頭し、反動で動けなくなります。

これを防ぐために、「状況整理」というタスクをあらかじめスケジュールに組み込んでいます。

 

  • やり方: 朝と午後に1回ずつ、「今の状況を確認する時間」を予約しておく。
  • 効果: これは、深い海に潜りすぎたダイバーが水面に戻るための「命綱」です。
    強制的に立ち止まり、「水飲んだ?」「次の予定は?」と自分に問いかけることで、脳をクールダウンさせます。

 

これらは全て、自分の脳のクセを責めるのではなく、道具で補うための工夫です。 次回は、これらの防具を実際にどうやってスマホの中で運用しているか、私のアプリ画面をお見せします。