家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

心から売れるもの「 l'art de vivre (暮らしの芸術)」

販売員だった頃の悩み

私は「売ること」に絶望的に向いていませんでした。

商品について学んだりお客様とお話することは大好きだったのですが、「売る」ことに関してはどうにもこうにも、こだわれなくて。


心の中で「そもそも貴方に(orギフトを送る相手に)ほんとにこれ必要?」とか無駄に考えてしまう。

「ご自分に合うもの・好きなものをお好きにどうぞ」と思ってしまうから、店側が「売りたいもの」を推しきれない。

本当は買い物したいんじゃなくて、誰かに敬ってほしくて、誰かと話したくて来てくれているのがなんとなく伝わってくるお客様が、何か買って行く姿を見て切なくなったり。

 

というのは言い訳ですが…

とにかく売れないセールスマンなのでした。

 

じゃあ、なんなら売れるの?

「お客様の生活を豊かにする仕事がしたい」。これは就活のときにまず最初に浮かんだキーワードです。

元々は美術館で働く学芸員になりたかったけど、実際私の頭で研究員になるのは厳しい。

それなら、と単純に、生活を豊かにできそうなものを売る仕事につけばいいんだ!と当時は思いました。

私は自分の生活がこれで豊かになったと思うものを売る会社を受けました。

住宅、パン、タオル、ハンカチ、食器、インテリア用品…などなど、そして最終的に自分の夢に近い美術工芸品を売る会社にめでたく就職。

しかも、希望通りインテリア用品(テーブルウェアなど)の売り場に配属されてとても嬉しかったのです。

 

それなのに。どうしてこんなにモヤモヤするんだろう?

じゃあ一体なんなら心から「売りたい」って思えるんだろう?

「生活を豊かにする」って何なんだ?

 

この問題に対する答えが出るまでにはとても時間がかかりました。

大失恋したり、仕事がうまく出来ずに落ち込んで病んでしまったり、仕事を辞め、結婚し、子を3人産み育て、国内外いろいろな場所で生活してきて…

 

最近やっと、心から「売りたいもの」に出会えたと感じています。

 

暮らしの総合芸術「 l'art de vivre 」を売りたい!

一つ一つの商品からは、その商品が持つ役割からしかお客様の生活を豊かにすることはできません。

それは私が販売員時代に痛感してきたことです。

 

私は仏文科時代に知った「 l'art de vivre (暮らしの芸術)」という言葉が大好きなのですが、生活というのは、総合芸術です。

お客様の持ち物ひとつひとつと、お部屋、家事の仕方、生活リズム、習慣、心持ち…

そうした全てのものが相まって作り上げられるのがひとりひとりの愛でるべき「暮らし」です。

 

だからそれは、一つの商品を売るだけでは完結しないのです。

だから商品が売れてお渡しする瞬間も、なんだか満たされなかったのです。

 

お客様の心から望む暮らし、本当はやってみたいこと、本当はやりたくないことを応援したい。

お客様が主役の、お客様の望んだ暮らしが繰り広げられる、毎日の生活舞台を整えるお手伝いがしたいのです。

 

芸術っていうと、「そんな大げさな」って思います?

私は大真面目に、ひとりひとりの方の暮らしがその方にとって「芸術」に匹敵する素晴らしいものであってほしいと思っています。

それは人から見てどう見えるかということではなく、その方自身の心がしっかりと満たされていることが大切です。

だからこそのお片付けサービス

お片づけって色々なことを含みます。

①「ご自身が」本当に望む暮らし、理想の一年、理想の一日はどんなものか

②それを叶えるための生活の仕方、スタイルはどんなものか

③それを叶えるために必要なものはどんなものなのか、どのくらい、どのように持つのか

④それを叶えるために始めること、辞めるものはどんなものか

⑤どうのように叶えていくか

⑥どう続けていくか、どうしたら続けられるか

⑦次のステップは?

 

こんなことをお客様と一緒に考えて、一緒に片付けて、お客様の生活をより素敵にするお手伝いがしたいです。

「 l'art de vivre (暮らしの芸術)」それは心からおすすめできるので、売れるようになりたいと思います。

変化はゆっくり広がるもの。

変わらなくてもいい

お客様の中には「片付けられない、でも変わらきゃ」と焦っている方もいらっしゃいますし、私自身も「お金をいただくからには早めに結果を出さなきゃ」と思ってしまいます。

 

でも先日、発達障害の方のお片づけサポートの大先生・西原さんに、大切なことを教えていただきました。

訪問お片付けに行っても「全く捨てられず、全然お部屋に変化が出せないこともあった。それでも満足してもらえた。焦らなくていいんだよ。」

という話を伺ったのです。

 

それってたぶん「変わらなくてもいいんだよ」「捨てなくてもいいんだよ」って言ってもらえたから、お客様は安心できて、嬉しかったんじゃないかなと。

 

私たちは常に「片付けなきゃいけない」「きれいにならきゃいけない」「きちんとしなきゃいけない」「ものを減らさなきゃいけない」っていう概念に追われて暮らしています。

それが苦しくなることってありますよね。

 

もちろん、あんまり散らかっていたり物量が多すぎると生活に支障がでてきてしまいます。

だから「片付ける」は正論ではあります。

でもだからといってそれを一掃するよう「変化」を求められるのは辛いものがありますよね。

 

本当に変わりたいかわからないのが本音

世間的に見たら汚いんだろうな…とか、人を自信を持って呼べないな…というのが「片付けなきゃ!」と思う理由の1つでしょう。

でも、実際にその環境でも暮らせてしまっているとしたら?

多少不便でも、このままでもいいんじゃないか?と思ってしまうのが人間なのではないでしょうか。

 

変わらなきゃ…でもこのままでもいいんじゃ…という間で揺れるのは自然なことだと思います。

揺れてる間は、落ち着くまで待っても良いんじゃないでしょうか?

 

変化するのは怖くて、難しくて、嫌なこと

「変化」するって大変ですからね。

昔シートベルトが義務化された時、大反対が起こったそうです。

こちらの本より↓

シートベルトを付けたほうが死亡率が下がるって明らかな事実があっても、人は変化が怖いし強制されるのが大嫌いなのです。

 

だから、「変化を起こそう!こら自分よ、変化しなさい!」と責め立てるとうまく行かない気がしています。

感情的・心理的な反発がどうしても出てきてしまうからです。

 

でもやっぱり、日常生活に支障が出てる。

もう少し快適に暮らしたいな…と思う方には、こういう方法はいかがでしょうか?

 

まずは聖域を作る、そこを徐々に広げていく

片付けでいえば、1か所だけ…デスクの上や棚の一角など、まずはここだけはキレイにしたいという場所を決めて、そこをキープすることだけ頑張ってみるのはいかがでしょうか。

 

それじゃ何も変わらない?そんなことないです。

快適な環境にも慣れが必要なんです。

一気に綺麗になったお部屋なんて、きっと自分の居場所と感じられないと思います。

まずは1か所、きれいにする。

それから、徐々にきれいな部分を広げていけばいいんです。

 

人間にとって、変化はゆっくりが心地良いんだと思います。

できることを1つずつ、少しずつ、ゆっくりと進めることで、納得のいく変化が醸成されて行く、そんなイメージです。

 

可能性が広がるという変化

「全然変わらない…変われない…」と落ち込むこともあるけれど、それでいいんだと思います。

変わらない核があるというのは人にとって安心になります。

 

何か全然違うものに変わってしまうと思うと怖いけれど、自分にとって大切なものが核になって、それが広がるだけだと思うとそんなに怖くない気がしませんか?

 

変わらない、変われない部分も大切にして、その可能性を少しずつ広げていく感覚で進んでみるのはいかがでしょうか。

 

私もそんなイメージでのんびりやってみたいと思います。

芝生でコロコロする子たちを見て癒やされた三連休。

30%で進め、進め。

8割どころか3割くらいの毎日

よく「完璧主義は辞めて、8割くらいを目指すと上手くいく」といいますよね。

皆さん日々どのくらいできていますか?

私は実際、30%も行かないくらいの毎日を送っています。

 

お昼ご飯はこんな感じ。食べるのを忘れることも。

夜ご飯は、こうです。

栄養?食育?はて…

 

気がつくと髪は伸びっぱなし、爪は左手は切ったけど右手は切り忘れてる。

レトルトカレーコレクションも、こんなに集めてしまいました。

食べて10%、お風呂入って10%、歯磨きして10%、これで何とか生きています。

 

それでもあっけらかんと進んでいく

お片づけの活動を始めて一ヶ月。楽しくて楽しくて夜も眠れないくらいの日も。

これからもこの活動を続けていきたいと思います。

でも生活の変化に自分が追いついて行けてないですね。

ちょっとずつ生活改善していけたらと思います。

30%でもいいから、進むしかないです。

 

「完璧目指さなければ進む」は真実

これ見た時に、どう思うか。

最近ついつい夜ふかししてしまって、朝起きれなくて。

代わりに夫が朝乾燥機から服を出してみんなの分を、子どもと一緒に仕分けてくれているのですが、引き出し開けるとこういう状態なんです。

 

でもこれをね、

「あぁ、やっぱりちゃんと朝早く起きてちゃんと私が畳まなくちゃ!私がやるから置いておいて!」と言ってしまうと、絶対洗濯物が山になっていくだけなんだと思います。

 

「朝ゆっくり寝かせてくれて、しかも洗濯物までしまってくれてありがとう!最高!」と思う私しか今はいません。

その方が何事もうまくいくし家族との関係も良いからです。

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夫は昔から、「完璧を目指さずとにかく進める」の名人です。

これは先日ウェスにすると決めたTシャツ。

「2歳の娘の近くでしたら危ないから、こども園行ってる間にどこかで時間を作って、きれいに切らなきゃ」と思ったまま、何日も経っていました。

ある日朝起きてダイニングに行くと、なんと夫と娘がすでに切り始めていました。

意外にも作業をじっと見て、急に手を出したりしない娘。

なぜか帽子をかぶり靴下を手にはめているのは置いておいて。

夫の指示で、布を引っ張り切りやすいようにお手伝いしてくれています。

しかも!着るときに出た糸くずを、勝手にハンディ掃除機持ってきて掃除し始めたではないですか!

えー!!!

朝の時間に、あっという間にざくざく切られたTシャツがウェスに生まれ変わりました。

収納は、箱にポイポイと投げ込むだけ。

 

30%で良いなら、2歳児も即戦力!!

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今では夫、小学生の息子たちだけでなく娘にも毎日助けてもらっています。

妻として、母として、完璧にしなくちゃと思っていたら実現しなかったことだと思います。

 

完璧でない生活を楽しむ

これ、なんだと思います?

ベーグルです。(きっぱり)

夫が焼いてくれます。このベーグルづくり、もうかれこれ10ヶ月続いてる!

朝Tシャツ切り終わった頃に焼き上がり。タイミング完璧!

 

「ベーグルはドーナツ型じゃなきゃ」とか

「形が崩れないように間隔を空けて並べて、2回に分けて焼こう」

とか思っていたら、こんなに続かなかったと思うんです。

 

形は不揃いですが、美味しいんですよ。

不揃いで、凸凹で、色々あるADHD家族ですが、30%だけ維持しながら楽しく進んでいこうと思います。

ご家族でモチベーション温度差があるときの片付け

ご本人様でなく、ご家族からのご依頼

先日のお客様はお父様からのご相談から始まりました。

「多勢に無勢なんです」

「家族の片付け優先度が低い」

「自分はHSP気質だから、散らかっていると気になって疲れる」

「頭の容量を食われる」「気力を奪われる」

 

頭の容量を食われる感じ、とてもよくわかります。

私も同じだなと思いながらお話を聞いていました。

 

二つ返事でお受けできなかったわけ

でも、パートナーの方やお子様方は私が家に入ることをどう思うんだろう?

片付けることが嫌なのに、片付けの仕事の人間が来ることに、すごく抵抗感があるのでは?と心配でした。

このご依頼でご家族喧嘩になったらどうしよう!と。

 

ご依頼を受けることにとても慎重になりました。

「もしご家族皆さん合意の上で、第三者の助けが必要でしたらぜひお手伝いさせてください。」とお伝えしました。

 

でも、お悩みがかなり深刻だとお見受けしたので、まずはオンラインで詳しくお話を聞かせていただき、ぜひお力になりたいと決心。

ドキドキしながら当日を迎えました。

 

先にご家族で話し合っててくださると安心

お邪魔すると、なんとお母様もお嬢様も、笑顔で、ウェルカムで迎えてくださり、安心しました。

おそらく、お父様が事前に課題感を話し合ってくださったのではないかと思います。

でもきっとそれ以前から、優しい関係が築かれていたのが伝わってくるような、温かなご家族でした。

 

これは「共同プロジェクト」だと認識していただく

私は意識して、これは全員参加型の「共同プロジェクト」なんだと思ってもらいたくて、挨拶が済んだら「では、作戦会議をしましょう!」とお話を始めました。

そうすると、お嬢様たちがちょっとワクワクした感じで笑いながら体育座りしてくれたので、ますます嬉しくなりました。

 

まずはお気持ちを数値で聞かせていただく

「今回は、お父様からのご依頼だったので、まずはお母様とお嬢様のお気持ちを聞かせていただきたいのです。」

「完璧に片付けて二度と散らかしたくない!というのが10、全然片付けなんか必要ない、今のままがいい、というのが1だとすると、今どのくらいにいますか?」と聞いてみました。

 

すると「4」「4」「5か6くらいかな」と答えてくださいました。

良かった!もし1だったら、私今すぐ帰らないといけませんから!

 

どんなに片付けが億劫だったとしても、本当は「4」くらいは片付けが必要だとは思ってくださってる。

これはきっとお父様にとっても朗報です。

 

数値から、問題点と妥協点を見極めていく

「では、どうして10でも1でもないのか聞いてみたいです。教えてもらえますか?」

と今度は聞いてみました。

「完璧でなくてもいいと思ってる」そうですよね。私も100%同意です。

「仕事で疲れてるから、まずはゆっくりしたい。それで気力が余っていたら片付けする、そんな感じです」うんうん、それはそうですよね。まずはお体を休めるのが第一です。

「他にしたいことがある」どんなことですか?

「ぼーっとしたい」おー!私もボーっとするのが大好きなのでこれもよくわかります!

「学校で疲れてるから、めんどくさいなって」学校って、ほんと疲れますよね…

「散らかってるのを見ると、大変そうだなと思って、他のことしたくなる」わかり味しかない…。

 

ここまで正直に素直に話してくださって、私はとても嬉しくて。

そしてまたまた共感できることばかり!(汚部屋出身の身)

 

「お仕事の疲れを癒やしたい、のんびりしたい」これは至極真っ当なご意見です。

では、「どんな空間でのんびりしたいですか?」と伺ってみますと、理想のイメージを教えて下さいました。

 

ご自分でゴールを見出していただく

「この前お風呂カフェに行ったらとってもよかった。お風呂入っても良いし、岩盤浴もあって、おやつも置いてあって、きれいな畳でほこりを気にせずゴロゴロできて。」

「フカフカのクッションを置いて、リラックスしたい!」

「子供部屋に二段ベッドを置きたい!」

おー!たくさん素晴らしいキーワード出てきました。

 

お掃除や、新しい家具を買うっていうのは、お片づけの最終段階であり、ゴールであり希望です。

良かった!お片づけの先に夢があって。と安心しました。

これが、ご本人の口から自然と出てくるのがとっても大事!!

人に押し付けられた目標ではなく、ご自分で見つけたゴールです。

 

「床置きのものを極力なくして掃除しやすくして、ほこりを気にせずゴロゴロとリラックスできて、おやつバーも置いたら最高ですね!」

「小さい頃からのおもちゃを整理して、二段ベッドを置けるように、そしてお姉さんらしいお部屋に」と夢を皆さんで一緒に膨らませました。

 

指示ではなく、お誘いする。まずはお気持ちを聞くところから。

人によってどれくらい片付いてると快適か、レベル感は異なります。

お片付けなんかしなくても全然平気!という方もいらっしゃいます。

 

でもご家族の誰かが散らかりを気にしてかなりのストレスを感じているレベルでしたら、実は他のみなさんも程度の差こそあれ、少しは「片付けた方が良いかも?」と思ってくれている可能性があります。

 

「お片付けがどのくらい必要か?」を数値化してもらい、2以上であれば、本人も今のお部屋に不満が少々あるはずで、そこがどんなところかを聞いて、そこを一緒に改善しよう!とお誘いしてみるのが良いのかなと思います。

 

いきなり片付けを強要するのではなく、今の素直なお気持ちを聞いてみるところからスタートすると、乗り気になってくださる場合があります。

良かったらお試しくださいね。

 

お父様のご心配が晴れるほど、お嬢様方のご判断はサクサクと進みましたよ♥

(写真掲載許可いただいております)

「めんどくさい」と「わからない」が作るエベレスト級のハードル

労力を惜しむのは生きるためなの。仕方なし。

生きていくためには当然、得るエネルギー量が、消費するエネルギーを上回る必要があります。

だから人間は元々、なるべくラクをするようにプログラムされているのです。

世の中を変えた革新的なアイディアはいつも、そのほとんどが、何か労力のかかることを「よりラクに」してくれるものでした。

 

でも日本では特に、「頑張りやさん」が評価されやすい。

「丁寧な暮らし」が称賛されやすい。

ラクをしてはいけない」「ラクをしたいと思う人(自分)を許せない」と思う方は、まだまだ多いようです。

 

でもせめてご家庭の中だけでも、まずはラクをすることを自分に、家族に、許してあげてください。

そうすることが自然なヒトの姿ですし、より「ラクをする」方法を探すことこそ、生活をより良く変えていくきっかけになると私は思います。

 

ラクをしすぎて、もうちょっと手をかけないと生きてる感じがしないわ~ってくらいに一度楽になってから、丁寧にできるところを探したっていいと思います。

 

「労力」を侮ってはいけない!「労力」が作るのはエベレスト級のハードル

こちらの本を読んで、いかに人が「労力」によって行動を妨げられるか理解が深まりました。

ささいな工程がたった1つ増えるだけで、ほんの少しの所要時間が(数秒)増えるだけで、人が行動を躊躇する例がいくつも載っていました。

ADHDかどうかに限らずそうなのですから、ADHDの方(私たち親子含む)にはより一層当てはまってしまいます。

なので、この本の話を私なりに「お片づけに」置き換えたら?と考えたこと…

なぜ片付けられないのか?

どうしたら片付けられるのか?

をお話したいと思います。

 

「片付けられない!片付けてくれない!」と嘆く前に確認したいこと

どうして片付けられないんだろう?

どうして片付けてくれないんだろう?

と自分や家族を責める前に、片付け行動に対して、何が「抵抗」になっているかを考えてみましょう。

 

上の本によれば、人は求められる労力が大きくなればなるほど、より強く抵抗してしまうものだそうです。

 

労力には「苦労」と「茫漠感」という2つの側面があるといいます。

目標達成に必要な作業量が「苦労」だとすれば、目標達成の方法を知っていいるかどうかを示すものが「茫漠感」だ。

 

つまりカンタンに言うと、「めんどくさい」「わからない」この2つをどう乗り越えるかが、つい後回しにしてしまうお片づけを成功させる鍵となります。

①「めんどくさい」を乗り越えるには?

とにかく工程数と、収納場所への歩数を減らすことです。

ワンアクションでしまえるようになっていますか?

しまう場所までの歩数は何歩でしょうか?

 

代表的な例だと、引き出し収納は難易度が高いです。

①洋服を畳んで、②引き出しを引き出して、③きれいに並べて、④引き出しを閉じる。

これで4アクションもあります。

一方、余裕のある大きさの箱やかごに放り込み収納するだけなら、1アクションです。

シワになりにくいものなら問題有りません。

↑我が家の長男のロッカー。

靴を脱いだら3歩でロッカーにランドセルを置けるようにしました。

ランドセルは置くだけ、上着と手袋は放り込むだけにしています。

引き出しかごになりますので全部で3アクションですが、ハンガーにかけるよりカンタンだそうで、この方式に着地。

 

人によっては、ぐちゃぐちゃな見た目のストレスが、アクション労力を上回ることもあります。

その場合は、丁寧に畳んでしまう方が御本人の気持ちにとっては「ラク」なことも。

 

どんな方法が一番ラクにしまえるか、しまう場所までもっと近道できないか、ぜひご家族で話し合ってみてくださいね。

 

②「やり方がわからない」を乗り越えるには?

ロードマップを作りましょう。

片付けられない理由が、実はめんどくさいからではなく、「やり方がわからないから」だというのは大変よくあることです。

 

「どこに、どうやってしまうのか?」

「どの順番でするとスムーズにできるのか?」

「しまうのに、どれくらいかかるのか?」

「終わったら、どんな嬉しいことが待っているのか?」

これらがはっきりと、ひと目でわかるようになっていたら、きっと動きやすくなるはずです。

 

ご参考までに我が家でやってみたことをご紹介します。

玄関入って真正面にやることの図を貼りました。

靴をしまって、手を洗って、手紙を出して、洗い物を出して、鉛筆を削る。

を伝えます。

ロッカールームのお手紙受け&ランドリーBOXの場所に、やることのチェックリストを今度は文字で。

やることの量も、出すべき場所も、目でわかります。そして、終わったら遊べることを伝えています。

 

お片づけの山を登りやすく。

お片づけが得意な人は、なかなかお片づけが出来ない人を、こんな簡単なことがどうしてできないの?と不思議に思うかもしれません。

でも、「片付けてよ!」と叫んでみても、やることにストレスがあったり、やり方がわからない人は動けません。

できるだけ平坦な近道を見つけて、ロードマップを渡してあげましょう。

 

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「お気に入りに囲まれて暮らす」までの道のり。時間をかけて「ちょっと違う」を大事にする。

「お気に入りを使う喜び」までの道のり

よく、「お気に入りだけに囲まれて暮らしたい」という言葉を聞きます。

私もぜひそうしたいのですが、これがなかなか難しくて。

 

ある程度の妥協は必要なんじゃないかな?

いただき物もありがたく使うし、高価なものは買えないし。

それに、誰かと一緒に暮らしていれば、身の回りの全てのものを「自分の好み」で揃えるなんて、無理じゃない?

 

そんなふうに思っていました…少し前までは。

これまで細かい実用品の一つ一つまでには思い入れがなかったのです。

手に届くお値段のちょうどいいものを使えばいいや、くらいに考えていました。

 

でも最近やっと、「お気に入りに囲まれて暮らす」の本当の意味(だと私が思う)がわかってきた気がするんです。

 

私なりの生活改善運動のきっかけ

先日Xでつながった方からおすすめいただいて、こちらの本を読みました。

著者の安達さんが、住む場所から、家、食、衣服などをひとつひとつ見直して、心が満たされる暮らしを創っていく過程が綴られています。

 

美しい文章とその内容に、私はとても感化されました。

私も改めてこんな風に物を手にとって色々感じてみたい。

使うことで幸せになれるものを選んでいきたい!

 

そこで、家の中を見渡し、ひとつひとつのものを点検してみました。

 

「まだ使える」と「使いたい」の大きな差

点検してみると、残念なものがいくつも出てきました。

まずはタオル。そういえば、2年近く買い替えてない!

 

衛生的にも1年で取り替えると良いらしいとは聞いていたけれど。

色も素材も気に入っているし、使い勝手もまぁまぁだし、家族からの不満の声もない。

 

本当は、少しだけ嫌なことが。

端っこのパイピング?が縮んだせいで、丁寧にバーにかけてもまっすぐきれいにかからないのです。

それが随分前から気に入らなかったのに、「特に不満がない」「まだまだ使える」という理由で、気にしないようにして、ずるずるとそのまま使い続けていたのです。

 

気に入っている「アイスグレー」の色合い&マイクロファイバー素材はそのままで、縮むと格好悪いパイピングがなくて、もう少し吸収力があるタオルがないかなぁと探して、ついにこちらのタオルに買い替えました。

有名な商品ですので、紹介するまでもないですが。

こちらの商品、吸収力がよく褒められていて、それはもちろんそうなのですが、私が一番気に入っているのは端っこのギザギザ加工です。

洗濯・乾燥で多少縮んでも格好悪くならないところが私にはとっても嬉しい!

かけたときの美しさがぜんぜん違う!旧タオル→新タオル

 

「まだ使える」「特に不満はない」からと、気になる部分をそのままにしないで、自分の中の「ちょっと違う」という気持ちを無視せずちゃんと向き合ってあげる。

そして少しアップグレードする。

それだけでこんなに気分が良くなるんだぁと実感しました。

 

「使える」から→「使いたい!」の差の大きなこと!

早くキレイに並んだタオル見ていい気持ちになって、お風呂上がりにふわふわタオル使いたいな~とワクワクしてしまいます。

 

時間をかけて見つけるお気に入り

点検していて次に見つけたのが割れたお玉!

木製なのに食洗機に入れて、割れてしまったのですが、そのまま使い続けていました。

 

なんで割れてるのに使い続けてるんだろう?って考えてみたのですが、どうやらこのお玉をすごく気に入っていたようなのです。

これには今回捨てる時になって気が付きました。

 

なんてことないお玉なのですが、木目の感じ、触り心地や、お鍋への優しい当たり方が、好きだったみたいなんです。

 

なので、懲りずにまた木製にしました。

夫も実は気に入っていたようで、二人で「今度こそ手洗いする」といっしょに決心して買い替え。

無印良品で購入しました。

新婚時に一緒に購入した木べらも、10年経ってかなり傷んでいたので買い替え対象になりました。

古い木べらで気に入っていたのは、フライパンに当たる部分が真っ直ぐなこと。

おこげをこそげ落としたりするのに便利でした。

なので木べらは先が丸い形だった無印良品では買わずに、IKEAでまっすぐなものを購入。↓(なおシリコン製も持っていたのですが、経年変化でベタベタしてきたので手放し、今後シリコン製は買わないことにしました。)

そして、トングはナイロン製を使っていたのですが、食洗機にかけ続けるとこんな色に!↓

100均で買った画像下のトングは柔らかすぎて使いづらく、まだキレイだけどこちらも買い替えることに。

今度はステンレス製で食洗機対策!

左は無印良品、右はダイソーで購入しました。

長い間使い続けてやっと気がつくこと、愛着が湧くもの。

自分たちのライフスタイルに合うものを、試行錯誤しながら少しづつ見つけていく楽しみを見つけました。

 

買い替えたのになお捨てられなかったもの

人気のジョージジェンセンのティータオルをミーハー心で購入したのですが、その前まで使っていたものを手放せずにいます。

だいぶ前にカリエンテというお店で購入したもの。

もう何年も使っていて、何度も洗濯・乾燥機にかけて、くっちゃくちゃなんですけどね…これが捨てられないんです。

真っ白だから漂白もできるし、薄いから細かいところまで拭けるし。

軽くてやわらかいところも好きで。

かなり気に入っていたのだと後から気が付きました。

 

新しく購入したジョージジェンセンのティータオルは、結構分厚いんですよね…。

(用途が違うんだと思います。)

 

ちゃんと、買い替えるときには「どこが気に入っていて、どこが嫌だったのか」はっきりさせてから買い替えないと、どんなに人気商品でも自分には合わないということがあるんだという教訓になりました。

 

家族が好きだから「自分も好き」になるものもある

最後にちょっと笑い話なのですが、最近気がついたことでもう一つ。

自分が好きじゃなくても、家族が好きだから、あると嬉しくなるものの存在を知りました。

 

それがこちら。

飾り棚の中心にドカンと置かれた男梅さんです。

長男がお菓子の男梅シリーズが大好きで。

なけなしのお小遣いを投げ売って、UFOキャッチャーで手に入れて喜びに涙したぬいぐるみなんです。

 

それからこちらのシーラカンス

これは次男が水族館のゲームコーナーでバスケットゴールに奇跡のシュートを決めてゲットしたものです。

これも本当に彼が喜んで、家族みんなで驚嘆。

思い出深いので、見ると嬉しくなってしまうものです。

 

2つとも雰囲気や統一感を崩すものではありますが、今やお部屋が我が家らしくなる大切な要素になっていて、私にとってもお気に入りの存在です。

 

自分の暮らしを愛せているかどうかが、ものに映る

「お気に入りに囲まれた暮らし」というのは、

  • 高価なものを買わないといけない。
  • 一気に買い揃えないといけない。
  • 自分のお気に入りを集めなければいけない。

 

そうしないと実現しないものだと思っていましたが、

  • 少しのグレードアップでも幸せになれる
  • お気に入りは時間をかけて見つけ、少しづつ集めるもの
  • 家族のお気に入りにも愛着が湧いてくる

ことに気が付きました。

 

また、ものを愛して大切に使うことは、今の暮らしに満足しているからこそできることだとも思いました。

もし今の暮らしに不満があれば、その暮らしに使われているものに愛着を持てるはずが有りません。

 

もし周りを見渡してみて、お気に入りのものが全然ない、ということであれば、暮らし全体を見直す必要があるのかもしれません。

私らしいワードローブ/クローゼットの作り方(IKEA・PAX)

捨てることではなく、選ぶことにフォーカスする

服が多すぎる、でも捨てられない!というお悩みも多いと思います。

そんな方におすすめしたいのは、「捨てることではなく、選ぶことにフォーカス」する方法です。

ご自分のクローゼットを洋服屋さんに見立てて、これからの自分に必要な服をその中から選んでいくのです。

 

体型×好きな色×生活スタイル=「自分らしさ」

ご自分の体型、好きな(似合う)色、生活スタイルに合わせた服を選んでいけば、自然と残す服と手放す服が決まり、お気に入りだけが並ぶクローゼットになるはずです。

ご参考までに私の場合をお話します。

こんなふうに決めていきました。

 

①体型で服の型が決まる

私は、卑下しているわけでなく事実として、胴長短足・おしりが大きいのです。

だから、本当にパンツが似合いません。涙

 

その代わり、足とウェストの位置を誤魔化せる、ロングスカートやワンピースが大好きで、普段の服装はその二択です。

 

そうすると、スカートの日のトップスはコンパクトな(ベーシックな)丈のTシャツ。

ワンピースにはカーディガン、と型が決まります。

 

骨格診断を受けたことがないのですが(ぜひいつか受けたい!)

受けるとさらに似合う「型」がわかって良いと思います。

 

ちなみに、私は不注意優勢型のADHDで忘れもの、失くしものが悩みです。

なので、携帯・お財布(免許証など含む)・リップクリーム・鍵などの必需品をいつも身につけられる、ウェストポーチを愛用しています。

 

だから「ウェストを絞ってもおかしくない服」であるスカート、ワンピースという選択になったのです。

それ以外の服は自然と淘汰されてしまいました。

パジャマまで、ワンピース型です。

 

②好きな(似合う)色だけにする

以前パーソナルカラー診断を受けて、Winterとわかってからは、それに沿って色を選んでいます。

それ以外の色を選ぶとやっぱり顔がくすんで見えてしまいます。

白は白でもアイボリーだと本当に肌が汚く見えるので、できるだけ真っ白を選ぶようになりました。

 

パーソナルカラーのパレットの中から、さらに好きな色に絞ります。

私は薄紫~水色~青~青緑が好きなので、取り入れています。

一色入れたら、合わせる色はモノトーンと決めてしまえば、コーディネートに頭を使いません。

何を着るか決めるのが、毎朝一瞬です。

 

以前は色合わせをすごく複雑に考えていて、ファッションを楽しむ余裕がなく、難しい!苦手!と服装を考えるのが苦で仕方なかったのですが、この本を読んでからはコーディネートに悩まなくなりました。

以前もご紹介しましたが再度ご紹介します。

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③生活スタイルで素材と種類が決まる

個人事業主なので、基本的に服装は自由。カジュアルな服装でOKです。

子育て中かつ夫がアクティブな人なので、アウトドア用の服も必要です。

ヨガバレエを習っているので、その時の運動着も。

お片づけサポートの日はパンツも履きます。

 

それと、旅行が好き&乾燥機にかけてしまうので、素材はシワになりにくいものにします。

 

こんなふうに生活スタイルに合わせると、素材と種類が決まりました。

 

洗濯頻度+旅行頻度=適正な量

次に枚数を決めていきます。

毎日洗濯して、しかも夜に乾燥機までかけてしまうなら、究極的には一着で済みます。

実際に一着で過ごしているミニマリストさんもいらっしゃいます。

それが出来たらすごいですが、私は楽しみのためと、旅行中コインランドリーに時間を使いたくない人なので、一週間分=7セットは持ちたいなと思っています。

 

選択頻度や、旅行中に選択するかどうかで枚数が決まってきます。

 

いかがでしたでしょうか?

あたり前のことしか書いてないですが、基本的なことは大切です。

改めて選び直せば、きっとご自分にとって「ちょうどいい」ワードローブができあがるのではないかと思います!

わたしのクローゼットはこちら↓