家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

五感を使ったお片付け

感性を呼び起こそう

暮らしを楽しむために、本来失われてはならない大切なもの。

それはご自身の感性です。

 

私たち…特に30代?以上の方は、まだまだ「我慢が美徳」だった時代に教育を受けてきました。

自分の考えや感じ方を自由に表現することは、なんだかわがままのように感じられて、つい言葉にできなくなってしまう。

または、嫌だなぁ、苦手だなぁ、ということも、ついつい我慢するなり気にしないようにしてしまう。

毎日忙しくて、自分のことなんかにかまってはいられない。

はたまた、意識的にも無意識的にも、「これが美しい」「これがかっこいい」「こうあるべき」という世間の基準に沿って物事を選んでいる。

そんな日々がずうっと続いていると、自分の感じ方がどんなものだったか、忘れてしまいそうになりませんか。

 

でも、本来お部屋はあなただけの、ご家族だけの、プライベートな場所。

片付きレベル、使うもの、取っておくもの、収納用品、置き方などはそれぞれの自由に委ねられるべき場所です。

 

ご自身にとって快いお部屋、本当に幸せを感じられるお部屋、そんなお部屋にしたいのなら、ぜひお片付けを始める前に、ご自身の感性を呼び起こしてほしいと願っています。

 

いつもはけっこう理屈をこねて動線やら使用頻度やらを一生懸命説いている私ですが、今日は本当はずっとお伝えしたかった、「五感を使ったお片付けの方法」をご提案したいと思います。

気楽にお読みくださいますと幸いです。

 

①視覚

これは一番わかりやすいですね。まずは目を使ってみましょう。

以前「色の片付け」「明るさの片付け」のお話をしました。

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強い色のパッケージのものを隠したり、ケースに入れ替えたりするだけでも、驚くほど見た目はすっきりします。

私は洗面所に集める布物をすべてグレーで統一したのですが、こうすると多少ラフに置いてあってもあまりうるさい印象にはなりません。(個人感)

 

カラフルなものがお好きな方は、つまらない色は逆に排してしまっても素敵です。

 

次は眩しさのお片付け。光の強度も人によって心地よさが違います。
作業する場所は明るいほうが良いけれど、リラックスする場所は光を抑えると、穏やかな雰囲気が作り出せます。

11:00時位置にブラックデジタル目覚まし時計

「片付いたらお気に入りのランプを購入する!」というのも、楽しい目標になりそうですね。

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また、お疲れのときは「目線の高さの水平面にあるものだけでも片付ける」というのが効果的です。

お部屋全体が散らかっていたとしても、キッチンカウンターやダイニングテーブルの上など、「まず目に入る場所」がきれいだと、すっきり見えるのでぜひお試しください。

 

床置きになっているものを、無地の紙袋や段ボールにまとめるだけでも違います。

そんなふうに細かいものは大きな塊にすると、視覚情報が減り、ストレスも軽減されるかと思います。

 

②聴覚

意外かもしれませんが、日常生活はいろいろな音に囲まれています。

しかし「音」は、一番軽視されがちな部分かもしれません。

聴覚が鋭い方は、実は日常に我慢している音がたくさんある可能性があります。

  • 磁気の食器に金属のカトラリーが当たる音
  • 椅子を引くときの音
  • 金属製のハンガーを金属製のバーに掛ける音
  • 引き出しの中にモノを入れたときに立つ音

茶色の木製のハンガー4本

それぞれほんの一瞬の小さな音で気にしない方も多いかもしれませんが、聴覚が優れている方には辛い音があったりします。

聞こえないふり、気にしないふりが、知らぬ間にストレスを積み重ねているかもしれません。

先日私もドライヤーを引き出しに入れたときの音が気になって、収納用品を変えました。

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金属製やプラスティック製の収納用品を、フェルトやコルク、草木製品などに変えることで音が柔らかくなり、気になる音が片付くことがあります。

もともと聴覚に自信がある方はぜひ、暮らしの中で本当は我慢している「音」がないか確認していただき、気になる「音」もお片付けしていただくことをおすすめいたします。

もちろん近隣の騒音などがあれば、早急に防音効果のあるものの設置をしましょう。

最近はおしゃれなものが多く、インテリアに合うものがきっと見つかります。

 

③触覚

ベッドの上の白いシーツの接写

手触り、肌触り!これも本当にわかりやすく快適さを左右しますよね。

全然気にならない方ももちろんいらっしゃるとは思いますが。

うちの息子はここが特に敏感で、服や下着は全て「手触り」で選びます。

デザインはほとんど気にならず、ノールックで引き出しに手を突っ込み、手触りでどの服か判断しその日どれを着るか選びます。

そんな人もいるんだと、息子を見て勉強になりました。

 

少しの毛羽立ち、少しの毛玉だからいっか…と半分諦めながら取っておいているものがあったら、改めてもう一度お手にとって触ってみてください。

シーツ、枕カバー、寝間着、ニットなどなど。

肌触り手触りできちんと寿命を見極め、手放すべきタイミングを見逃さないようにしましょう。

古いものは手放すなりお手入れして、必要であれば新調しましょう。

ぐんと快適な毎日が待っているはずです。

 

④嗅覚

匂いも、「気にしないふり」しやすいものです。

でも実は、匂いに敏感な方もかなり多いのではないでしょうか。

なんとなく使っていた柔軟剤の匂い、トイレの芳香剤の匂いなど…実はなくても困らないものがけっこうあるかもしれません。

白い布に一輪のピンクの花

逆に好きな香りがあれば積極的に取り入れてください。

でもそのためにも、嫌なニオイのもと(汚れ)は除去するのが大切ですよね。

お掃除はお片付けが終わっていない状態だとなかなか難しいのが実情ですが、やはりお片付けをしたらお掃除もしやすくなり、嫌な匂いを溜め込みにくくなります。

「本当は気になっていたあの匂い」がもし今思い浮かぶなら、日々のストレスがいつの間にか溜まっているかもしれません。

ぜひぜひ頑張ってお掃除し、すっきりしちゃいましょう。

お掃除に必要なのは、実は時間&習慣の片付けだったりします。

満足度の低い時間を手放すきっかけになるかもしれません。

 

⑤味覚

最後に味覚です。片付けと味覚?関係ないようで、私はキッチンの片付けに最も必要な感覚ではないかと思っています。

まず古くなった油、油分の多いお菓子…食べてみてください。(想像だけでもOK、自己責任でお願いします!)酸化してしまって美味しくないはずです。

いつも冷蔵庫には新鮮で「美味しそう!」と思えるものだけ並べたいですよね。

ストック品も、必要かつご家族が大好きなものだけが揃っている状態が理想ではないでしょうか。

食品を手にとって味わいを想像してみる、そんなふうに片付けを進めるのも面白いかなと思います。

また、普段の食事で、ご自分の好きな料理、ご家族にとっての定番料理など、住む人の味覚の好みがしっかりわかっていれば、必要な調味料や素材が決まってくるはずです。

全世界の料理を生み出せるキッチンでなくてもよいはずなので、ご家族が好きな料理をスムーズに生み出せるキッチンを目指していきましょう。

黒いフライパンを持つ人

 

おわりに

五感を使ったお片付け、いかがでしたでしょうか。

お片付けにはいろいろなセオリーが合って、もう情報にうんざりしてしまう日もあると思うのです。

ときには力を抜いて、感じることから始めるお片付けがあってもよいではないですか。

ご自身の好き嫌いを、思い切りわがままに、お家の中では自由に表現したいですね。

それは自分を大切にすること、自分の感性を守ること、自分で自分を幸せにすることです。