前回は片付け界でも二極化が起こっており、片付けられないのは、「努力が足りないから」ではないというお話をしました。
引き続き「ゆるストイック」から考察をしていきます。
- 「部屋がきれい=幸せ」ではない
- 「片付け」はより幸せになるための「手段のひとつ」に過ぎない
- 「努力したら→片付く→幸せになれる」のセオリーを疑ってみる
- 片付いたら幸せになれるのではくて、幸せだから片付けられる
- まずはとにかく幸せになることが先。幸せになったら自然と片付く。
- チャンスを活かす、チャンスを待ちながら準備する
- 元気がないときは人に頼る
「部屋がきれい=幸せ」ではない
散らかった部屋を見て、きれいな部屋の人が「可哀想」とコメントするのを見たことがあります。
私はそれに強く違和感を感じました。
部屋の状態で幸福度を計ることはできません。
実際部屋がきれいでも幸せじゃない人もいっぱいいるし、部屋が散らかっていても幸せな人もたくさんいます。
部屋の状態と幸せは、影響し合うことはあっても「=」にはならないのです。
なぜなら、部屋がきれいであることに「価値」を感じない人もいらっしゃるからです。
「散らかっていても別に気にしない」、というのは、その方にとって強がりではなく本心です。
そりゃきれいであることに越したことはないけれど、「他のことに価値を感じている」
「優先したいことが他にたくさんある」場合、相対的にのその方にとって「部屋がきれいなこと」の価値は下がります。
また、どのような状態を「きれい」と感じるかは、一人ひとり違います。
だから、周りの人がその人の部屋を見てその人が幸せかどうか計ろうとすること自体、意味がないことなのです。
「片付け」はより幸せになるための「手段のひとつ」に過ぎない
つまり、「片付け」はすべての人にとってのゴールではありません。
一度、「部屋は片付いていなければならない」という思い込みを手放し、ゼロベースでぜひ考えてみてください。
一人ひとり違う「幸せ」、一人ひとりが「望んでいる状態、実現したいことを」を応援する環境を作る「手段のひとつ」が片付けです。
もしかしたらより幸せになるために、貴方に必要なのは、「片付け」じゃないかもしれないのです。
そうして改めて考えてみても、やっぱりより良い生活のためには片付けが必要そうだな、と感じた方は、ここから先もお付き合いくださいませ↓。
「努力したら→片付く→幸せになれる」のセオリーを疑ってみる
ここで片付けを促すキャッチフレーズを改めて疑ってみます。
努力したら片付くのでしょうか?
片付いたら幸せになれるのでしょうか?
私は逆かもしれないと最近思うようになりました。
努力した結果、部屋がきれいになって、部屋がきれいになったから幸せになれるんじゃないのです。
以前散らかりまくった部屋に住んでいた私。
片付けの本はいっぱい持っていました。片付けられるようになりたくて。
情報はたくさん集めていて、理屈ではわかってる。
でも行動に移せないっていう時期がずっと続きました。
その時、私はとても大きいストレスを抱えていました。
ストレスが大きいから、片付けられなかったんだなって今は思います。
前回のブログで書きましたが、心身が元気(ベストとしては幸せな状態)でないと、冷静に物事を考えられないんです。
ものは絶対選べないんです。
だいたいしんどい時って、何が自分にとって幸せか?わかっていない状態なんです。
自分が何が好きで、何を心地よいと思うか、何がしたいのか、わからなくて途方に暮れた状態で、必要なものが選べないのは当然です。
選ぶ作業って、ただでさえ凄く頭使いますよね。疲れますよね。
それがストレスを抱えた状態では?まず出来ないと思います。
行動力も失われている状態です。
生きているだけでも大変なのに、プラス片付け行動を起こせるでしょうか?
起こせないですよね。
片付いたら幸せになれるのではくて、幸せだから片付けられる
幸せだから片付けられる。
「片付けで人を幸せにできる」と思ってたんですけど、そうではありませんでした。
私の部屋が片付いたのは、たまたまでした。本当にたまたま。
たまたまのチャンスにたまたま乗れたからなんです。
つまり、何かいいことがあって、自分が元気になった時に、ようやく片付けられるようになったんです。
過去の自分を振り返っても、あの時先に「幸せになったから」片付いたんです。
「幸せになったから」アトピーが治ったっていう順番でした。
頑張っても治りませんでした。頑張っても片付きませんでした。
たまたま幸せになったタイミングでアトピーが治って、たまたま幸せになったタイミングで片付いたんです。
「幸せ」=自分にとっての「価値」がわかっていて、それが実践できている状態
「片付いている」=自分の「価値」にそった環境づくりができている状態
つまり、自分の幸せが何かわかって、それに何が必要かわかったからモノを選べる。
幸せを実感できたから、どんな環境ならより実感できるかわかり、片付けのゴールを決められる。
そうすれば自然と片付くわけです。
これは、私が勝手に考えた仮説です。
皆さんはどう思われるでしょうか。
まずはとにかく幸せになることが先。幸せになったら自然と片付く。
だから私は今から言う大切なことをお伝えしたいです。
片付かないことで、どうかご自分を責めないでください。
「もっと頑張らなきゃ」とか、「努力してないからかな?」とか。
自分が嫌になってしまう気持ちがあると思うんですけど、そうではないと思います。
まずはとにかく一度片付けることを忘れて、幸せになることだけを考えてください。
幸せになるには運の要素が、正直、大きいです。
努力は必ずしも報われません。
個々人の努力だけじゃどうにもならないこともあります。
それなら、個人は何もできないのでしょうか?
いいえ、できることがあります。
チャンスを活かす、チャンスを待ちながら準備する
たまたま元気な日、たまたま嬉しいことがあった日、そういう日になら、きっと、少し片付けられると思うんです。
そういう日があったらそのチャンスを必ず見逃さずに、少しだけ行動するっていうのを続けて行ってみてください。
ゴミ一つ拾うことからです。
ただ、そのチャンスが来た時のために準備しておく。
ぐっすり眠って、自分の体調を整えておく。
美味しいお茶を飲む、散歩して新鮮な空気を吸う、好きな人のことを考える、何でもいいです。
一日一日、自分で自分を幸せにできることを考える。
何に対して自分は「価値」を感じるか、探す、見つける、確かめ続ける。
そのことだけを考えて毎日を過ごし、幸せな日があったら→片付けるの順番が良いのではないでしょうか。
片付けの手法や理屈など、難しいことはいったん考えなくてもまずは大丈夫かなと思います。
正論は一度置いといて。
とにかく体調を整える、幸せに過ごす。それを先に考えてください。
その後、自然に片付くと思ってください。
元気がないときは人に頼る
でもやっぱり、片付かない部屋を見てストレスがたまる時ってあると思います。
部屋が片付いていたらどんなに楽だろうって。
私もそれがすごくつらかった過去があります。
だからそういう時は、お友達、ご家族にまずはお願いしてみるとか、もし頼る人がいなければ最寄りの役所に行って相談支援を受け、福祉につながってください。
お安くヘルパーさんに来てもらえる制度をまずはちゃんと利用していただきたいです。
それも使えない状況でしたら、やっぱり片付けのプロに声をかけてください。
家事代行さんでもいいですし、ライフオーガナイザーでもいいですし、整理収納アドバイザーさんでもいいんです。
自分と相性が良さそうな人にお願いしてみてください。
もしも私を選んでくださった方がいらしたとすれば、ゴミを捨てることから一緒にやります。
一緒にじゃなくてもいいです。
任せていただけるなら、まず私一人で進めてもよいです。
ゴミと思われるもの…例えばペットボトルなど、(それが大切な人もいらっしゃるので、全部それを捨てていいかどうか確認しますが)、分別など面倒くさいことは私がやりますので。
まずゴミを捨てることから始めましょう。
多分ゴミも捨てられない状態だと思うんですよね。
もう辛い時は。ストレス抱えてると無理なんです。
元気な時じゃないと片付けなんかできないんです。
だからそれは人に頼りましょう。ぜひ頼ってください。
営業トークにしか聞こえないと思いますが。
「ゆるストイック」という本で「今日自分が死ぬとしたら?何をすべきか?」考えさせられた結果、最後に皆さんに何を伝えたいか?というのを考えて、このお話をしてみることにしました。
長くなりましたがここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
どうぞお幸せに、お元気でお過ごしください。