ライフオーガナイザーの清水優佳です。
発達障害(ADHD)の診断を受けた自分自身、息子と一緒に暮らす中で、たくさんの「片づけ」「旅」「こだわり」に出会ってきました。
今回は、そんな経験から感じた「自分のこだわりを活かしながら自由に生きる」というテーマで書いてみます。
- 完璧主義・潔癖症だった私
- 「気になる」があっても、暮らせるし、楽しめる。
- コンフォートゾーンが広がると、人生の自由度が上がる
- モデルプランどおりに進まない。それでいい。
- 無理に「こだわりを捨てる」必要なんてない。
- 行動力の土台は、「失敗しても大丈夫」という安心
- 最後に
完璧主義・潔癖症だった私
「シンク下は湿気がたまるから何もしまえない」
「洗面所の鏡裏収納、熱が気になるから使えない」
「ホコリが心配で、棚の上にモノは置きたくない」
片づけのご相談を受けていると、こうした“こだわり”にたくさん出会います。
そしてそれは、私にもよくわかる感覚です。
なぜなら私も、以前は完璧主義で潔癖症傾向がありました。
少しでも不快に感じるものを、徹底的に遠ざけたくて。
汚れ、ズレ、湿気、ホコリ、予定外……
「気になる」「不安だ」をひとつずつ潰していくことに、エネルギーを費やしていたのです。
でも、子育てや旅を重ねるうちに、私はこう感じるようになりました。
「気になる」があっても、暮らせるし、楽しめる。
「不快や不安をゼロにする」のではなく、
「ちょっと気になるけど、まあいいか」と思える“幅”があると、
暮らしはぐんとラクになるし、行動範囲も広がっていくのだと。
たとえば片づけサポートの現場では、
「湿気が気になるけど、ステンレス製ならしまえる」
「熱が気になるけど、タオルやティッシュなら入れられる」など、
“こだわりを維持したままの工夫”で、スペースがぐんと有効に使えるようになった例もたくさんあります。
そしてこれは、旅にも通じると感じています。
コンフォートゾーンが広がると、人生の自由度が上がる
我が家は、夫・私・子ども3人、そして犬1匹の大家族です。
旅行が好きで、国内は車中泊を組み合わせながら各地をめぐり、 海外もメキシコ、台湾、シンガポール、オーストラリア、フィンランド、ベトナム……と、少しずつ経験を重ねています。
ただ、私たちは決して“旅行上手”なわけではありません。
計画を立てるのも得意じゃないし、準備にも抜け漏れが多い。
そして何より、私と長男はADHDの診断を受けていて、部分的に感覚過敏もあり、完璧にやろうとすると苦しくなるタイプです。
それでも今、旅を楽しめているのはなぜか? それは「こだわり」を少しずつ手放してきたからです。
「許せる範囲が広がれば、冒険の幅も広がる」とだんだん腑に落ちていきました。
毎回、格安航空券と宿を組み合わせて、 行きたい気持ちと家計とのバランスを調整しています。
だから時には、経由地で空港の床で寝たり、屋台で虫がちらつく中食事したこともありました。
空港で靴を脱いだり、手作りのごはんをその場で握ってもらったり、 海外製の薬やスキンケアを現地で調達することもあります。
完璧主義・潔癖だったころの私には、絶対にできなかったことです。
「それって本当に安全なの?」「ちゃんと清潔なの?」と不安で、 たぶん日本から出ることすらできなかったと思います。


モデルプランどおりに進まない。それでいい。
私の完璧主義というのは、「失敗=ダメ」と極端に怖がっている状態でした。
そんなときは、予測不可能な旅なんてとてもできません。
でも子どもは熱を出すし、お腹を壊すし、眠くてぐずる。
歴史的建造物より、プールや公園のほうが喜ばれるのは当たり前。
そんなふうに思いどおりにいかないことも含めて、旅だと思えるようになったら、 ずいぶん気持ちが楽になりました。

実際、旅先で薬局に駆け込んだことで、こんな気づきもありました。
ベトナムでは、薬剤師の裁量で薬を出してくれることが多く、日本よりもずっと気軽に薬が手に入ります。
後で調べてみたところ、これは医療制度の違いが関係しているようでした。
ベトナムやアメリカでは医療費が高かったり、病院の数が少なかったりするため、薬局で薬をもらえる仕組みが発達しているのだそうです。
一方、日本では保険制度が整っていて、まず医師にかかることが前提。
医師の診察がないと出せない薬が多く、薬剤師の権限は比較的限定されています。
旅先でのこんな小さなできごとから、国の制度や文化の違いを体感できるのも、子連れ旅の面白さだと感じます。
我が家は、天気や子どもたちの体調・ご機嫌を見ながら、 当日までざっくりとしか予定を決めません。 その日その日で調整しながら、「これでよかったね」と思える時間をつくっています。
モデルプランどおりにはいかないけれど、 そのぶん、思い出深く、濃密な旅になることも多いのです。
トラブルも含めて楽しめるようになると、 子連れ旅は、自由で、学びに満ちた時間になります。
「こだわり」をゆるめるって、 不安の中に、ちょっと足を踏み出すことなのかもしれません。
その一歩が、私たち親子にとっては 世界をひらく力になってくれました。
無理に「こだわりを捨てる」必要なんてない。
誤解してほしくないのですが、
私は「全部ゆるくしよう」「細かいことは気にしないほうがいい」と言いたいのではありません。
自分にとって大事な“こだわり”は、絶対にある。
それを無理に否定したら、逆に苦しくなると思います。
だから私は今、「こだわりを残しつつ、許せる幅を少しずつ広げる」ことを意識しています。
そのおかげで、片づけも進むようになったし、旅の自由度も格段に上がった。
そして、自分らしさを保ちながら、人生の選択肢を増やせるようになりました。
行動力の土台は、「失敗しても大丈夫」という安心
こうした価値観の転換は、私ひとりでできたわけではありません。
私のコンフォートゾーンをこじ開けてくれたのは、夫の行動力でした。
あまりに計画を立てず、あまりに大胆で、最初はしんどいことも多かったけれど、
そのおかげで、私はたくさんの場所を見て、たくさんの学びに出会ってこれました。
「失敗したって、何とかなる」
「予定どおりにいかなくても、大丈夫」
そんなふうに思えるようになったことが、私にとって一番の財産かもしれません。
最後に
あなたにとって、「絶対に譲れないこだわり」はなんですか?
そして、「ちょっと広げてみたら、できることが増えそうな部分」は?
無理に捨てなくていい。
でも、もし少しだけ幅を持たせられたら、人生の可能性は確実に広がります。
片づけも旅も子育ても、行動力も。
あなたの「ちょうどいい許容範囲」を、一緒に探していけたら嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
片づけや旅、発達障害のことなど、このテーマについてご質問や感想があれば、ぜひお気軽にコメントくださいね。
ブログも定期的に更新していますので、またのぞいていただけたら嬉しいです。