- 「ゆるストイック」からわかる世界の二極化
- 片付けの世界でも同じことが起きている
- 補足:高いレベルがみんなに必要かというとそうではない
- 「汚部屋」と名付けられた部屋たちの存在
- 努力の差ではない
- 次回のお知らせ
「ゆるストイック」からわかる世界の二極化
先日、こちらの本を夢中になって読みました。
今の世の中の構造や仕組みがとてもわかりやすく書かれており大変勉強になりました。
こちらの本の一部をカンタンにまとめると(私の個人的理解)。
- 経済状況が富裕層と貧困層で二極化している。
- 各グループにそれぞれの「正しさ」がある。
- 人々は似た者同士でしか交流せず、それぞれの「正しさ」を証明してくれる情報のみ集めるので、全く違う価値観が作られる。
- それぞれが違うコミュケーションツール(言語/視覚聴覚)を使うので、より相互理解が難しくなっている。
- 支配側は富裕層だが、実は富裕層の生活を下支えしているのは貧困層であり、人数も圧倒的に多いので、貧困層の気持ちがわからなくなった富裕層のリーダーが選挙で勝てなくなった。
片付けの世界でも同じことが起きている
今、片付けを仕事にされている方はたくさんいらっしゃいます。
皆さんインスタなどで素晴らしい収納方法を披露してくださっており、私もそういう方々の投稿を見て勉強させていただいております。
でも、もうレベルが高すぎて一般の方がついていけない状況になってると思うんですね。
我が家はどうかと言いますと、ボックスにざっくり分けてるだけなのです。
中身はもうノールックで出し入れしてるので、ぐちゃぐちゃなんです。
だから先日キッチンの収納を思い切って全部公開したのですが、あれを見て汚いって思った方もたくさんいらっしゃるはずです。
一方で、一部の方は、もしくはそれ以上の方は「綺麗だな」って思ってくださったみたいなんです。
実際、綺麗だねって声かけてくださった方もいらっしゃいました。
私もこれのくらいでいいと今のところ感じています。
でも、お片付け業界の中では汚い方なんです。
もう皆さんレベルが違うんですよ。凄い域まで達していらっしゃるんですよ。
だからうちなんかは彼らにとっては汚い方なんです。
補足:高いレベルがみんなに必要かというとそうではない
それなのになぜInstagramでそんな状況を晒したかというと、「完璧な美しさが全員にとって必要かっていうと、やっぱりそれは違う」ということを伝えたかったからです。
それぞれの美しさとか正しさがあるっていうことが、「ゆるストイック」にも書いてあり、私も強くそう思っています。
それぞれのちょうど良いところに持っていければ、それが正解なんです。
「汚部屋」と名付けられた部屋たちの存在
片付け状況も、格差が広がってるという話に戻ります。
私はいわゆる「汚部屋」出身です。
ずっとそこで、インテリア雑誌を見ながら夢だけ見ていたっていう少女時代を過ごしていました。
そんな暮らしをしていた私からすると、もうそこまではできない!と感じてしまうような高度な域に達していらっしゃる方もいらっしゃいます。
一方で以前の私の部屋のような…女性でしたらナプキンのごみがあっても当たり前、おかしのゴミはもちろん、ペットボトルもいっぱい。
洋服は山積みで、当然床が見えない状態。
そういうところで暮らしていらっしゃる方が、片付けの仕事を始めて、実は本当にたくさんいらっしゃるっていうのが分かってきました。
その方々のことを、お部屋のきれいな人たちは「どうして片付けられないのか」理解ができなくなってきている、と感じます。
片付けのプロが集まるイベントで発達障害の方に向けた片付けサポートを呼びかけていると、同じく片付けの仕事をしている人たちの中から、理解を寄せていただくどころか逆の言葉を数度かけられショックを受けました。
「そういった方は自分のお客さんじゃないからそちらに回していいか?」と。
片付けで一番苦しんでいる人たちに、片付けのプロが寄り添えないなんて…。
憧れの仕事の現実を見た気がしました。
しかし実際に片付け業界を支えているのは「片付け」が苦手な方たちです。
その方たちの気持ちに寄り添えなければ、私達の業界は潰れてしまいます。
「ゆるストイック」にかかれていた富裕層と貧困層の関係から思い出されたエピソードでした。
努力の差ではない
さて、すっごくきれいな部屋と、すっごく散らかってしまった部屋との間の差は、何から生まれていると思いますか?
「ゆるストイック」を読んで、努力の違いじゃないことは、私の中で確信に変わりました。
一生懸命努力した結果、部屋がきれいになるんじゃないんですよ。
何度でも言います。努力の違いじゃない。
運やタイミングの要素も過小評価できません。むしろ、大いに影響しています。
何故か。まず人生に迷いがあるとき、病気の時、お金が無い時など、ストレスを抱え心が苦しいときは絶対に片付けができません。
ストレスが判断力や行動力を鈍らせます。
ストレスで衝動買いも増えます。
捨てることに強く不安が生じます。
片付けは心身と脳を酷使する作業なので、元気じゃないと劇的に難易度が上がるのです。
また、他にも忙しすぎて&他にやりたいことに夢中で単純に「片付ける時間がない」というHappyな理由の方もたくさんいらっしゃいます。
そういった人生の波は容易に自分でコントロールできるものではありません。
部屋の状態から「こんなに散らかしてしまう自分はなんてダメなヤツなんだ、恥ずかしい」と思う必要が全くないことが伝わりますでしょうか?
そんなことで自己肯定感を下げるのはもったいないです。
冷静に、今の自分の状況を見つめれば、自分の環境を形作っているのは自分だけでないことがわかるはずです。
「今は元気がないから仕方ない」
「今は忙しいから仕方ない」
というのは、言い訳ではなく事実として正しく認識することが大事です。
次回のお知らせ
じゃあほとんどコントロールできない人生の波の中で、私達ができること・すべきことは何なのか?について考えていきます。