家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

二世帯住宅の片付け②穏やかに世代交代

結局どうした?二世帯住宅の片付け

前回、二世帯住宅の片付けの難しさをお話しました。

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私も初めて二世帯住宅の片付けに立ち会ったので、どうするのが正解なのかは、正直わかりません。

でも昨日キッチンの整理を完了させて、これでよかったんじゃないかと思うことができました。

今回は、どうやって二世帯住宅(キッチン共用)の片付けを進めていったか、そしてその結果どんなことが起こったかをまとめたいと思います。

 

はじめは「問題」ともされていなかった

実は、母には問題意識があまりありませんでした。

「物がそんなに多いとも思わないし、収まっているからいいじゃない」と。

私から見ても、「いつ来てもきれいだなぁ」と思うほど、特に散らかった印象はありませんでした。

 

一方で「物が多い!」と感じていた姉は、

  • 収まってはいるが、同じ用途のものの収納場所が点在していること
  • 収まってはいるが、一目で見渡せないこと
  • 物の種類が多すぎること
  • 収納用品や食器が実家にあったものの有り合わせで、見た目が揃わないこと

にずっとストレスを感じていたそうなのです。

 

姉家族は共働きで受験生含む子育ての真っ最中。

優しくてしっかりものの姉は、町内会からもPTAからも習い事の先生からも頼りにされ、忙しく様々な役を引き受けていました。

ということで、そもそも根本的な片付けに取り組む時間がありません。

 

ミニマリストに憧れつつも、真面目なので「物は最後まで使い切らなければ」と思っていました。

だから日用品は自分好みのものでなくても、ほぼ実家から引き継いできた物を使ってきました。

物を捨てると母が苦い顔をする気がするのもあり、不要だと感じるものもなかなか整理できないまま、新築後気づけば9年目に突入…

 

お疲れだった姉を母も心配、片付けを決意

最近の姉は、とても疲れていました。

パートからフルタイムで仕事を始めたこと。

受験を控えた息子の心配。

ときどき突然やってきては長居する、うるさい妹家族(私たち)!

 

こういうときこそ気になるのです、家の状態が。

収納を開けてはごちゃごちゃした見た目にうんざり。

あれどこ?あれない!と家族に言われるイライラ。

実は自分好みのものでないものばかりに囲まれていること。

そしてさすがに9年経って、食器が割れて数が足りなくなってきたこと。

 

母もそんな姉を心配していました。

そこで姉にしっかり、どうしたいのかを言葉にしてもらいました。

  • 工夫しなくてもすっと入る量にしたい
  • 同じカテゴリーのものをまとめたい
  • 誰でも簡単に何がどこにあるかわかるようにしたい、など。

話をするうちに母は、「〇〇ちゃんの好きなようにしていいよ」と言ってくれるようになっていました。

そうして、とうとう片付けに踏み切ることになったのです。

 

リーダーを決め、判断を委ねた

私は単刀直入に母に聞きました。

「好きなようにしていいよってことは、もしキッチンのものぜーんぶ捨てちゃって、お姉ちゃんがぜーんぶ買い直したとしてもいいの?例えば!」

 

すると、「もういいよ。…あ、これだけは困るかな…」と手を伸ばしたので、

私「お、じゃあ、キッチンからこれだけは捨てたくない!ってものピックしてもらっていい?」とお願い。

母はお月見柄の入った切子グラスを大切に手に取りました。

「これは私の部屋にしまってもいいし、あとは〇〇にお任せするよ」

 

世代交代

以前から母が主導権を握っていたというわけではありません。

ただなんとなく、昔とはいえ母が購入したものなので、所有権は母にあるような気がしていました。

だから姉に要・不要の全ての判断を任せると決めてくれたことに、ほっとしました。

と同時に、世代交代の瞬間を見たような気がしました。

母が快く姉に権利を手渡してくれたことに、感謝、尊敬です。

姉が主導して、ものを選び直し、姉が思う「適量」にすることが双方納得の上で決まりました。

 

大切なものを尊重し合う

だからといって、優しい姉のことなので、自分勝手には決めていきませんでした。

キッチンの物を手にとって仕分けしていく間、「でもこれは母が気に入っているから」だとか、「これはパパが買ってきてたまに使ってるから」などと、家族のことを想いながら判断しているのが見て取れました。

気を遣いすぎると全部手放せなくなってしまいますが、これからの家族の幸せな時間を想像しながら、楽しくなるイベントものも少し残しながら、合理的に判断していくことができました。

ついに、明らかに不要なものがない、すっきりとしたキッチン収納になりました。

いったん全部出してお掃除すると、気持ちいいい

シンク下に入れたかった洗剤ストックが入れられるように

バラバラにしまわれていたホットプレートのパーツも一箇所に入りました!

一目で見渡せる収納に!

 

新しい生活が始まります♪

不要と判断したものは、分別しながら袋にセットして、手放す準備もみんなででしました。

ごみ収集所へは、母が自主的に持っていってくれたそうです。

9年ぶりにスカスカになった食器棚に、今後新しい食器や収納用品が入ります。

今朝楽しそうに食器を選んでいる姉を見て、私も嬉しくなりました。