- その昔、母原病というとんでもない説が広まったそう。
- 得体のしれないものへの恐怖
- 「ファクトフルネス」を読んだらモヤモヤが晴れた
- 自然とともに生きていられるようになったのは、科学と化学のおかげ。
- 気楽にいこうよ
その昔、母原病というとんでもない説が広まったそう。
喘息や自閉症は母親のせいなんですって。
私も憤って、そんなの魔女狩りと一緒じゃない!って呟いてしまいました。
https://x.com/Syukazy/status/1715224267850395817?s=20
どうしてそんなに憤ったかというと、母がそれで苦しんでいたから。
私はアトピーもアレルギーも喘息もADHDもあるけど、一度も母のせいだと思ったことはありません。
前回書いた、「不登校は親の責任」発言も然り。
ただでさえ親も辛いのに、どうして追い詰めるのでしょう?
それに、百歩譲って母親のせいだとわかったところで、何が変わるのでしょう?
困り事が解決するわけでも、改善するわけでもありません。
ただ、それを言う人が「原因を言い当てる賢い自分」に酔いしれたいだけに見えてしまいます。
全然賢くなんか無くて、その逆なのに…
得体のしれないものへの恐怖
母原病説が広まってしまったという話で「中世の魔女狩り」を連想したのは、こんな共通点があると思うからです。
- 得体のしれないものを、怖いと思う気持ち
- 理解できない複雑な現象を、単純化して解決した気になる
- 架空の悪者を仕立て上げ、正義を振りかざす
これって、他のことでもたくさん起こっていますよね。
例えば、自然志向で、無農薬、無添加、薬&ワクチン拒否を称賛し、農薬を正しく使う農家さんや製薬会社を金の亡者のように言う人がいます。
薬のおかげでなんとか生きてきた私からすれば、「薬が怖いと言えるなんて、健康で良かったですね。」と嫌味を言ってしまいそうです。
なぜ、薬を作る・使う仕事についた人に、「人々を助けたい」という気持ちが全くないなんて言えるのでしょうか?
例えそうだとして、資本主義社会において、お金をもらうために働くのは不自然なことでしょうか?
「無添加」「自然派」を謳うのだって、人の恐怖本能を利用するマーケティングの一つにすぎないと思います。
アトピーやアレルギー、ADHDなどを、添加物や農薬のせいだと言う人もいます。
何を根拠にそんなことを…。
それを気に病み、ただでさえ忙しく悩ましい毎日の中、難しくて高い買い物をして、何もかも手作りしなきゃ親失格!と追い詰められる人たちがいることを知ってほしいのです。
「ファクトフルネス」を読んだらモヤモヤが晴れた
4年前の世界的ベストセラー、「ファクトフルネス」を先日やっと読んだんです。
そうしたら、胸がすく思いがしました。
私達は思い込みにより、怖がらなくて良いものに大騒ぎしています。
面白かったところを共有させていただきます。
自然とともに生きていられるようになったのは、科学と化学のおかげ。
「昔の人は、自然と調和しながら生きていたのではない。自然と調和しながら死んでいったのだ。」P.112
過去は美化されやすく、実際の「世界は残酷だった」のです。
過度な自然志向を持つ前に確認してほしいことがあります。
- 予防接種が多くの子どもの命を救っていること(p.122)
- 麻しんの治療法は未だに無く、1000人のうち1人から2人が亡くなること(p.150)
- 未だに年間33万人もいる下痢でなくなる子どもたち(p.145)食中毒で毎年42万人死亡 WHO推計 - 日本経済新聞
- 農薬などの規制が厳しくなる理由の多くは、死亡率ではなく恐怖によるもの。目に見えない物質への恐怖が暴走し、物質そのものよりも規制のほうが多くの被害を及ぼしていること。(p.152)
- 合成化学物質について、「しかしあまりにも微量なので、その食べ物を貨物船一隻分、3年間毎日食べ続けない限り、命を落とすことはない。」(p.152)
『それでも考えを変えないと言うのであれば、わたしにいい案がある。せっかくなので、科学をとことん信じないでほしい。たとえば、もしあなたが手術することになったら、担当する外科医に「手は洗わないでください」と伝えよう。』(p.151)
ハムなら一日80枚、ソーセージなら79本を、毎日食べ続けてやっと、「これ以上摂取し続けると健康への悪影響が出る可能性がある」そうです。
そんなに食べます???
ハムなら1日80枚までOK「食品添加物が危ない」の嘘を検証する | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]
気楽にいこうよ
そんなに思い詰めず、現代に生まれたからには人類の進歩に身を委ねてみるのはいかがでしょうか。
子どもに予防接種を受けさせたり、薬を飲ませたり、添加物入り食品を食べさせたって、いいじゃないですか。
それを悪く言う必要はないと思うのです。