今回は、ADHDである妻(私)と子どもを持った、夫が対処したこと、実際に家族を支えるためにしてくれていることを、夫本人に書いてもらいました。
家族がADHDかもしれないと思ったときの対処法
ちょっと不注意が目立つ仕事が遅いなど、気になることがあったらADHDを疑うことをお勧めします。
なぜなら、そういったものを放っておき、本人の努力不足や工夫不足だと決めつけてしまうと状況が悪くなる可能性があるからです。
早めの診断と理解が重要
まず少しADHDらしい症状を感じたら、すぐに自分たちの手でどうにかしようとしすぎずに、病院に行くことを強くお勧めします。
私も初めて診断結果を聞いた時に、精神科医の先生からこう言われたことが衝撃でした。
「目が見えない人に、前をよく見て歩けと言っているようなものです。」
ADHDの人にとっては難しいことが、一般の人にとっては何でもないことがよくあります。
しかもそれは、障害として目に見えず、認知されない、それが一番辛いことです。
なるほどなと思いました。
診断後の対応
診断結果を受けてから具体的にすることは、 まずは合う薬を試しながら見つけていくことです。
妻の場合は薬で大幅に改善した部分があり、楽になったようです。
息子は体質に合わなかったので、投薬は一度中断し、様子を見ています。
また、学校や会社、家族など必要な関わりのある人たちに対してその事実を伝え、 必要な配慮をお願いします。
息子は授業の受け方や宿題の方法などにご理解と配慮をしていただきました。
行政にも相談し、必要なサポートを受けさせてもらいます。
地域によってサポートして頂ける内容が違うようなので、専門窓口で聞いて見ましょう。
合理的配慮の考え方
合理的配慮の真逆の対応というのが、本人にその障害を乗り越えさせるというものです。
「本人が努力し、障害を乗り越える姿」は、メディアなどで感動的に伝えられ、称賛され続けてきました。
「障害は努力すれば乗り越えられる」、そうすれば「一般の人と同じように活躍できる」と、長い間、 社会は障害を持っている本人にその壁を乗り越えさせようとしてきました。
しかし昨今の研究では、この対応は間違っていると考えられ、批判の対象にもなっています。
障害があること自体は悪いことではありません。
障害によって生まれる差を解消すべきなのは、成長すべきなのは、周囲だということです。
環境設計の重要性
私は在宅勤務の仕事しかしないようにしています。
もちろん100%ではなく、必要に応じて現場に行ったり出張したりということもあります。
でも基本的にはフルリモート、なるべく長く家にいるような仕事を選んでいます。
そうなんです。
ちょっと工夫して家事を手伝うとか、土日に子どもの面倒を見るとか、 そういうレベルの対応ではなく、仕事そのものの選び方から考えていくべき問題なんです。
例えば私は育児休業を年単位でしっかりとって、新生児が生まれた後は家族といるようにしています。
これは、家族のためというよりも、自分の満足のためにしているのですが、 そこまでしなくてはいけない。そこまでして当たり前だというふうに思っています。
建築士さんが、この書斎くらいは遊びで派手な壁紙にしよう!と提案してくれた、思い切った壁紙。無機質なものばかりの空間ですが、ちょっと森の中にいるような雰囲気になりました。