朝の準備は地獄。
子どもの頃から実家を出るまで、両親をどんなにイライラさせたでしょう。
時間の感覚がない、段取りが悪い、片付けていないので物がどこにあるか分からず朝探しものをするはめになる。
当然遅刻する。
結局忘れ物ばかり。
立派に子供部屋を与えてもらっていました。
ですが全くと言っていいほど活用できておりませんでした。
帰ったら玄関にランドセルは置きっぱなし。
学用品は二階の自分の部屋にあったり、リビングにあったりで、どこに何があるのかわからない。
制服も一階に脱ぎっぱなし。
一階で洗濯してもらった洋服は、自分で二階の自分の部屋のクローゼットにしまうルールになっていたのですが、それも怠って一階に荷物が溜まるばかり。
勉強も、一階でしていました。
そのうち、和室を占拠。
どんどん荷物は和室に溜まっていき、年に数回、整理上手な母に手伝ってもらって荷物を自分の部屋に収めに行くのですが、また元に戻るの繰り返しでした。
ADHD用の家づくりをする決断
そんなわけで、きれいに片付き・気持ちよく・効率よく暮らせる部屋への憧れは、誰よりも強いと自負しております。
小さな頃から、どうしたらそれが実現できるか、ずっと考えていました。
学生時代・社会人・結婚生活・子どもとの暮らしを経験し、それぞれのフェーズで生活の難しいところを観察し、収納方法を試行錯誤してきました。
はじめは、一般的な間取りに自分を合わせる工夫を考えていたと思います。
一般的な間取りと私が言うのは、戸建の場合で、こちらのイメージです。
- 一階に玄関→LDK+お風呂とメインの洗面所、トイレ
- 二階に各々の寝室(クローゼット付き)+サブ洗面所とトイレ
収納場所に、荷物を「頑張って」運んでしまう。
必要な場所に収納がなければDIYで作って隙間に押し込むなど。
整理上手な母はそうしていましたし、一般的な間取りが人々にそうさせていました。
しかし、それでは私はうまくできないのです。そして息子も。
親子でADHDの診断を受けたことで、今後の暮らし方を真剣に考えました。
話は大きくなりますが、人生も同様に、「努力してフツウにならないといけない」と思っているうちはうまくいかず、苦しいだけでした。
周りの人も苦しめました。
結婚した夫は、「苦手は克服しなくて良い」「楽でないと続かない」と言ってくれるおおらかな人です。(だから結婚できた。)
その言葉と彼の助けが、人生を好転させてくれました。
ゼロから間取りを見直して、自分に家を合わせるという、とても贅沢でおこがましいともいえる発想はそこから生まれました。
苦手なことは、克服しない。やらなくて済む仕組みを考える。
忘れ物が多いから、外出に必要なもの全てを玄関の近くにしまいたい。
料理が苦手だから、調理家電をたくさん置きたい。
みんなに手伝ってもらいたいからカウンターキッチンは辞めたい。
洗濯したら乾燥までしてすぐ同じ部屋に全員分しまいたい。
子どもたちは一階にほとんどいるので、子ども部屋は「個室がほしい」と長男が言われるまで作らない。
二階の部屋は睡眠だけに特化した部屋に。
できるだけ掃除のしやすい素材や形にする。
わがままを全て叶えた自己ベストの家が出来上がり、今では毎日すっきり快適に暮らせるようになりました。
夫、両親、子どもたち、設計士さん、施工業者さんに心から感謝しています。
また、たくさんの著名な方にも多大な影響を受け、特にこれらの本は穴が空くほど読み、とことん真似をさせていただきました。(順不同)
どれも本当に素晴らしい本で、人生を変えたと言っても過言ではありません。
このブログではこれらの本をどう活かして家づくりをしたか書いていきたいと思います。