家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

二世帯住宅での片付け①「物量=幸福量」世代VS「ミニマリスト」世代

二世帯住宅の片付けの難しさ

最近、二世帯住宅の片付け(親族)をお手伝いしています。

どう片付けていこうか話を聞いてみて、二世帯住宅での片付けがいかに悩ましいかを実感しました。

今回はなぜ悩ましいか、次回その後どうしたかをまとめます。

 

〈注意書き〉

  • 二世帯住宅と言っても、水回りが共有の家とそうでない家だと様子が違うと思いますので付け加えると、私が経験したのは前者です。
  • 「そういう世代」とひとくくりにしてしまいます。もちろん、年齢に関係なく様々な価値観を持つ方がいるのは承知の上で各世代の「傾向」として個人的な見解を述べています。

シンプルに、物量が多い

代々受け継がれてきたもの+親世代のもの+現役世代のもの=二世帯住宅の物量ですから、モノの総量は当然多くなります。

しかも、一度親から離れて独立した後(生活必需品を新しく1から揃えた後)に改めて一緒に住むようになったときが大変です。

調理器具から食器から何から、一世帯の2、3倍の量が集結します。

同居スタートの時点で、必要な数に絞り込めればよいのですが、各々が使いやすいもの・気に入っているものが違っていたりすると、なかなか減らせません。

洗剤やシャンプーなども好みが違うと日用品のストックも倍増です。

もし同じ種類のものを使っていたとしても、それぞれが「お買い得だったから」等と言ってバラバラに買ってくると在庫過多になりがちです。

 

「適量」の考え方が正反対

親世代は、給料が上がり、地位が上がり、それに対応して新しいもの、より便利なもの、より高価なものを順に増やしていくことが幸せのセオリーだったように見えます。

生活必需品が揃ったら、次は便利グッズ。

出世したらその地位にふさわしい服装や装飾品。

旅行に行ったらお土産を買わずにはいられない…

買うこと自体が目的の、「ショッピングが趣味」(今ではあまり聞かない)という方も多かったのではないでしょうか。

それでいて、親の親世代の「もったいない精神」をしっかりと引き継いでいるので、基本的に壊れるまで(人によっては壊れても)捨てません。

物は増えていき、それを四苦八苦して収納するための収納用品も増えていきました。

 

一方、私達の世代(今37歳)がよく苦々しい顔でこぼすのは、「実家は物に溢れてた」という話。

もともと物に溢れた環境に生まれたので「物への飢え」が少なく、むしろ物の多さに辟易しながら育ちました。

「物が増える=幸せが増える」ではなく、「物が増える=空間、時間が奪われ、ストレスが増える」という考え方の方がしっくりくるのです。

ミニマリストやシンプリストが多いのも、うなづけます。

買い物には慎重で、自分にとって本当に必要なもの、良いものを吟味して購入する傾向があるのではないでしょうか。

 

そんな正反対の世代が一緒に住んだらどうなるか。

起こり得るトラブルは想像できますよね。

 

それぞれの葛藤

親世代は物を捨てられると、アイデンティティが失われるような感じがしたり、これまでの人生を否定されたような気がして、身を切るように辛いのです。

一方で子世代は、そんな親の気持ちを気遣って物を捨てられない・片付かない・自分の基準だけで新たにものを買えないモヤモヤと戦っているのです。

 

正論だけでは片付かない、気持ちの問題がそこにはあります。

ぶつかりあって、険悪になってしまうことも…

 

大人=意思決定できる人が複数いる

片付けは決断の連続です。

どんな風に暮らしたいのか。

どんな状態が心地よいのか。

そのために

何を残して、何を手放すか。

収納の一等地には何をどのようにしまうのか。

どこから(何から)順番に片付けていくか。

などなど。

 

だからこそ、意思決定できる人の人数が多くなればそれだけ意見を一致させるのが難しくなり、スムーズに進まなくなります。

全員が納得できる答えが見つかればよいのですが、誰かが妥協する必要も出てくるでしょう。

我慢の割合、そのバランスをとる必要があります。

 

作業を誰がするのか?

大量のものを整理するのには大変な労力と時間がかかります。

一言で「捨てる」と言っても、分別したり、収集日まで待ったり、大きなものなら業者さんを呼ぶ必要もあったり。

その時間を確保するのも難しいし、その作業を「誰がするのか」がまた問題になります。

しかも、自分のものだけでなく、人のものも片付けるのですから、モチベーションを高めたり維持することもとっても難しいのです。

 

ということで、難易度が高すぎる二世帯住宅での片付け。

次回から、どのように片付けていったか書いていければと思います。