忙しい朝、片付いていない部屋にイライラして、家族に怒鳴ってしまう。
私の家づくりは、そんな「怒らない自分」を取り戻すための、小さな革命でした。
ADHDの診断を受けた私と息子。忘れ物・探し物の連続だった日々を振り返りながら、
“構造の力”で暮らしを整えた軌跡を記します。
- 家は小さな革命の舞台──「良妻賢母」の間取りを、そっと解体するということ
- キッチンに「境界線」を作らない
- 洗濯動線を一か所にまとめる
- 個人の収納を「共有空間」に
- 家事は「属人化」してはいけない
- 🔗詳しくは、実際の間取り・暮らしの工夫を綴ったこちらの記事へ
- 🔗 暮らしの「小さな革命」、動画でもご紹介しています
家は小さな革命の舞台──「良妻賢母」の間取りを、そっと解体するということ
わたしはADHDの診断を受けていて、いわゆる「女子力」や「良妻賢母」的なふるまいがとても苦手です。
けれどそれは、劣っているからでも、努力不足でもなくて──
そもそも「誰か一人がこなす前提の家事」や、「もてなす/もてなされる」の役割分担が、ずっと不自然だったのではないかと感じています。
そんな疑問から、わたしたちは家づくりの際、「怒らなくてもまわる家」を目指しました。
個人の努力ではなく、「構造」によって責任を分かち合える家。
その試みは、今振り返ると、小さな「革命」だったのかもしれません。
キッチンに「境界線」を作らない

まず、「もてなす/もてなされる」という関係性を前提としたカウンターキッチンはやめました。
家族が誰でも出入りしやすいように、壁付のキッチンに。
子どもも、夫も、わたしも、みんなが同じ目線で作業できる場所にしました。
食洗機はフロントオープン、食器は引き出し収納で出し入れしやすく、テーブルも調理中の作業台に。
「キッチンは母の領域」という空気を、間取りの力で、そっとほどきたかったのです。

洗濯動線を一か所にまとめる
洗濯についても、「一人で全部やる」から「通りすがりに関わる」へ。
洗濯機と室内干しスペース、乾燥後の服の仕分け・収納をすべて一部屋にまとめました。
お風呂・脱衣所の前に、広めのランドリールーム兼ファミリークローゼットを設置し、
家族が自然と通りかかる場所にあることで、洗濯が「家族全員の作業」に変わりました。
朝、「はいこれ〇〇のー!」と分担して服をたたむ声が響く。
小さなことですが、暮らしにリズムと連帯感が生まれます。
個人の収納を「共有空間」に
「自室にしまう」ではなく、「玄関そばのロッカールーム」に全員の持ち物を集約しました。
靴、カバン、上着、ティッシュ、オムツ、書類など──すべてオープン収納で見渡しやすく。
「おしり拭きとって!」「はいティッシュ!」
そんなやりとりが、玄関~ダイニングで自然に交わされるようになりました。
家族が家のどこにいても、何かを助け合える。そんな空間を目指しました。
家事は「属人化」してはいけない
もしかしたら私たちは、「お母さんが頑張る家」に慣れすぎていたのかもしれません。
だけど、疲れていても、具合が悪くても、毎日完璧に動ける人間なんていません。
だから私は、暮らしを「仕組み」で支えたいと思いました。
怒らなくても回る家。
誰か一人に偏らない家事。
それは、きっと「良妻賢母」からの静かな離脱であり、家族全員が暮らしの主役になるための小さな革命だったのです。
🔗詳しくは、実際の間取り・暮らしの工夫を綴ったこちらの記事へ
→ 【家事シェア】フラットな家族関係を作る間取り(2024-01-08)
設計の背景や、家族での洗濯・調理・収納風景を写真つきでご紹介しています。
わたしたちの家づくりの経緯をまとめたこちらの記事もどうぞ
→ADHDでも片付けられる家を目指して(2023/08/27)
🔗 暮らしの「小さな革命」、動画でもご紹介しています
実際の様子はInstagramのリールでご覧いただけます。
📽️ お父さんと次男でパン作り
📽️ 子どもたち3人で配膳
📽️ ファミリークローゼットで洗濯物をしまう様子
母が頑張るのではなく、家族みんなで関わる暮らし。
そんな日常の風景を、リアルな「音」と「動き」で感じていただけたら嬉しいです。