家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

“どうして私だけ”から抜け出す――ADHDと創意工夫の〈マインドセット〉

「ハンデ」と「発明」は、いつも同じ場所に生まれる

幼少期からアトピーに悩み、毎日全身ケアを続けてきた私。
苦い薬、ベタつく&時間が立つと酸化して臭う軟膏、汚く見える黄色の消毒液。
香りのないローション、友達より長い入浴後ルーティン
――正直「どうして私だけ?」の連続でした。

けれど大人になった今、肌は穏やか。思い返すと「あの習慣づけ」は、のちにADHD診断を受けた私を救う“創意工夫の筋トレ”になっていました。

学び
防げないものは“創り替え”て背負うしかない 。その過程で生まれる工夫は、別の課題を解く万能ツールに変わる。


ADHD × 社会生活――“なぜ私だけ”を越える4つのヒント

視点 マイナス思考の罠 転換 アクション例
① 目盛りを“他人”から“昨日の自分”へ 追いつけない競争 → 無力感 1 mmでも進めばOK。比べる軸を“自己ベスト”に固定 タスクを「開始→終了」でなく「着手率○%」で記録
夜の振り返りで“進んだ点”を1行書く
② 工夫は“余分”ではなく“標準装備” 「面倒な儀式が増える…」 私の脳の取扱説明書に載っている手順=デフォルト タイマーやメモを“アクセサリ”として名前付け(例:ポケット司令官)
③ 工夫=才能を磨く道具箱 ゼロに戻るだけ? ツールの試行錯誤は“問題解決スキル”を加速学習 新しいアプリを月1回“実験”→使えたらブログで共有
④ “ひとりで完結”を手放す 頼る=負け 人と仕組みを巻き込むほど成果が指数関数的に伸びる ボディダブリング会に参加
苦手なExcelは友人に外注+お礼にお菓子

 

アトピーが教えてくれた“創意のレシピ”

  1. 毎日1回はチェックポイントを入れる

    • 肌→鏡  ADHD→タスク一覧・体調メモ

  2. 悪化したら“責める前に記録”

    • 掻いた時間/集中が切れた時間を数字で把握

  3. 香りやデザインを諦めない

    • 敏感肌でもアロマを薄めて楽しむように、タスク管理用アプリもUIにこだわると愛着が湧く

  4. “ケアしない代償”を先に想像する

    • 一晩のサボり→翌朝の強烈なかゆみ / タイマー無視→締切パニック

 

“工夫を楽しむ”仕組みづくり

  • 小さな実験ノートを持つ

    • 試したツール・方法・感想だけを書く「研究ログ」

  • ごほうびを“予約”する

  • 仲間とシェアする

    • 失敗談も含めてSNSやオンライン会で公開→共感とフィードバックが次の発明を呼ぶ


まとめ:私たちは“マイナス”からではなく、“未知”からスタートしている

定型発達の人が見えない壁にぶつからない代わりに、私たちは毎日“試作品”を作る生活を送っています。
最初は回り道に感じても、その道具箱は確実に増え、やがて自分も誰かも助けられる資源になる。

 

だから今日も――
「どうして私だけ?」と感じた瞬間こそ、新しい発明の入口。
工夫するプロセスを面白がりながら、昨日より少し心地よい自分を育てていきましょう。