「お気に入りを使う喜び」までの道のり
よく、「お気に入りだけに囲まれて暮らしたい」という言葉を聞きます。
私もぜひそうしたいのですが、これがなかなか難しくて。
ある程度の妥協は必要なんじゃないかな?
いただき物もありがたく使うし、高価なものは買えないし。
それに、誰かと一緒に暮らしていれば、身の回りの全てのものを「自分の好み」で揃えるなんて、無理じゃない?
そんなふうに思っていました…少し前までは。
これまで細かい実用品の一つ一つまでには思い入れがなかったのです。
手に届くお値段のちょうどいいものを使えばいいや、くらいに考えていました。
でも最近やっと、「お気に入りに囲まれて暮らす」の本当の意味(だと私が思う)がわかってきた気がするんです。
私なりの生活改善運動のきっかけ
先日Xでつながった方からおすすめいただいて、こちらの本を読みました。
著者の安達さんが、住む場所から、家、食、衣服などをひとつひとつ見直して、心が満たされる暮らしを創っていく過程が綴られています。
美しい文章とその内容に、私はとても感化されました。
私も改めてこんな風に物を手にとって色々感じてみたい。
使うことで幸せになれるものを選んでいきたい!
そこで、家の中を見渡し、ひとつひとつのものを点検してみました。
「まだ使える」と「使いたい」の大きな差
点検してみると、残念なものがいくつも出てきました。
まずはタオル。そういえば、2年近く買い替えてない!
衛生的にも1年で取り替えると良いらしいとは聞いていたけれど。
色も素材も気に入っているし、使い勝手もまぁまぁだし、家族からの不満の声もない。
本当は、少しだけ嫌なことが。
端っこのパイピング?が縮んだせいで、丁寧にバーにかけてもまっすぐきれいにかからないのです。
それが随分前から気に入らなかったのに、「特に不満がない」「まだまだ使える」という理由で、気にしないようにして、ずるずるとそのまま使い続けていたのです。
気に入っている「アイスグレー」の色合い&マイクロファイバー素材はそのままで、縮むと格好悪いパイピングがなくて、もう少し吸収力があるタオルがないかなぁと探して、ついにこちらのタオルに買い替えました。
有名な商品ですので、紹介するまでもないですが。
こちらの商品、吸収力がよく褒められていて、それはもちろんそうなのですが、私が一番気に入っているのは端っこのギザギザ加工です。
洗濯・乾燥で多少縮んでも格好悪くならないところが私にはとっても嬉しい!
かけたときの美しさがぜんぜん違う!旧タオル→新タオル
「まだ使える」「特に不満はない」からと、気になる部分をそのままにしないで、自分の中の「ちょっと違う」という気持ちを無視せずちゃんと向き合ってあげる。
そして少しアップグレードする。
それだけでこんなに気分が良くなるんだぁと実感しました。
「使える」から→「使いたい!」の差の大きなこと!
早くキレイに並んだタオル見ていい気持ちになって、お風呂上がりにふわふわタオル使いたいな~とワクワクしてしまいます。
時間をかけて見つけるお気に入り
点検していて次に見つけたのが割れたお玉!
木製なのに食洗機に入れて、割れてしまったのですが、そのまま使い続けていました。
なんで割れてるのに使い続けてるんだろう?って考えてみたのですが、どうやらこのお玉をすごく気に入っていたようなのです。
これには今回捨てる時になって気が付きました。
なんてことないお玉なのですが、木目の感じ、触り心地や、お鍋への優しい当たり方が、好きだったみたいなんです。
なので、懲りずにまた木製にしました。
夫も実は気に入っていたようで、二人で「今度こそ手洗いする」といっしょに決心して買い替え。
無印良品で購入しました。
新婚時に一緒に購入した木べらも、10年経ってかなり傷んでいたので買い替え対象になりました。
古い木べらで気に入っていたのは、フライパンに当たる部分が真っ直ぐなこと。
おこげをこそげ落としたりするのに便利でした。
なので木べらは先が丸い形だった無印良品では買わずに、IKEAでまっすぐなものを購入。↓(なおシリコン製も持っていたのですが、経年変化でベタベタしてきたので手放し、今後シリコン製は買わないことにしました。)
そして、トングはナイロン製を使っていたのですが、食洗機にかけ続けるとこんな色に!↓
100均で買った画像下のトングは柔らかすぎて使いづらく、まだキレイだけどこちらも買い替えることに。
今度はステンレス製で食洗機対策!
左は無印良品、右はダイソーで購入しました。
長い間使い続けてやっと気がつくこと、愛着が湧くもの。
自分たちのライフスタイルに合うものを、試行錯誤しながら少しづつ見つけていく楽しみを見つけました。
買い替えたのになお捨てられなかったもの
人気のジョージジェンセンのティータオルをミーハー心で購入したのですが、その前まで使っていたものを手放せずにいます。
だいぶ前にカリエンテというお店で購入したもの。
もう何年も使っていて、何度も洗濯・乾燥機にかけて、くっちゃくちゃなんですけどね…これが捨てられないんです。
真っ白だから漂白もできるし、薄いから細かいところまで拭けるし。
軽くてやわらかいところも好きで。
かなり気に入っていたのだと後から気が付きました。
新しく購入したジョージジェンセンのティータオルは、結構分厚いんですよね…。
(用途が違うんだと思います。)
ちゃんと、買い替えるときには「どこが気に入っていて、どこが嫌だったのか」はっきりさせてから買い替えないと、どんなに人気商品でも自分には合わないということがあるんだという教訓になりました。
家族が好きだから「自分も好き」になるものもある
最後にちょっと笑い話なのですが、最近気がついたことでもう一つ。
自分が好きじゃなくても、家族が好きだから、あると嬉しくなるものの存在を知りました。
それがこちら。
飾り棚の中心にドカンと置かれた男梅さんです。
長男がお菓子の男梅シリーズが大好きで。
なけなしのお小遣いを投げ売って、UFOキャッチャーで手に入れて喜びに涙したぬいぐるみなんです。
それからこちらのシーラカンス。
これは次男が水族館のゲームコーナーでバスケットゴールに奇跡のシュートを決めてゲットしたものです。
これも本当に彼が喜んで、家族みんなで驚嘆。
思い出深いので、見ると嬉しくなってしまうものです。
2つとも雰囲気や統一感を崩すものではありますが、今やお部屋が我が家らしくなる大切な要素になっていて、私にとってもお気に入りの存在です。
自分の暮らしを愛せているかどうかが、ものに映る
「お気に入りに囲まれた暮らし」というのは、
- 高価なものを買わないといけない。
- 一気に買い揃えないといけない。
- 自分のお気に入りを集めなければいけない。
そうしないと実現しないものだと思っていましたが、
- 少しのグレードアップでも幸せになれる
- お気に入りは時間をかけて見つけ、少しづつ集めるもの
- 家族のお気に入りにも愛着が湧いてくる
ことに気が付きました。
また、ものを愛して大切に使うことは、今の暮らしに満足しているからこそできることだとも思いました。
もし今の暮らしに不満があれば、その暮らしに使われているものに愛着を持てるはずが有りません。
もし周りを見渡してみて、お気に入りのものが全然ない、ということであれば、暮らし全体を見直す必要があるのかもしれません。