家は武器

ADHD親子の、片付けられる家。

片付けって結局何をすること?「か・た・つ・け」の流れ

なんとなく片付けたほうが良い気がするけれど、何から始めたらよいかわからない…何をしたらよいかわからない…という方へ。

片付けですることの流れを整理してみました。

①か

感じる、考える

まずは自分の家のいろんな場所に立ってみて、どういうことを感じるか、しっかりと感じてみましょう。

何かモヤモヤする…とか、イライラする…とか、感じるところをメモしていきます。

なんだか嫌だな、暗い気持ちがする、というところが片付けるべき場所です。

 

もし、もう部屋に入った瞬間にイヤ!家のどこにいても嫌な気持ちがする!というレベルなら、毎日のストレスは相当なものだと思います。

心身のために迷わず状況を変えていきましょう。

 

そして、どうしてそういう気持ちを感じてしまうのかを考えていきます。

何に対して不快な気持ちを感じているのかを見極めます。

 

例えば

しまう方法が難しくて戻すのが面倒くさい

ものが多すぎて、取り出しにくい

見た目がゴチャゴチャして気持ち悪い

何がどこにあるかわからない、などなど。

 

ポイントは、絶対に自分の気持ちを否定しないこと。

正直な気持ちに蓋をしないこと。

特に「めんどくさい」という感覚は、どうか大事にしてください。

何がめんどくさいのかを明確にすることが、状況を改善し効率化するための鍵となります。

 

こんなふうに、片付けるべき場所と、変えたいことを整理していきます。

あまりに片付ける範囲が広かったり、ここでもう気持ちが塞いでしまうようなら、誰かに手伝ってもらうことも考えましょう。

(行政サービスを利用できる方はヘルパーさんに来てもらう、片付けサポート業者を探すなど)

次は、そこをどのように変えるかを考えていきます。

 

②た

単純にする

片付けというのは、私なりに言い換えると、

何をするにも難しい「複雑」な状況を、何をするにも簡単な「単純(シンプル)」な状況に変えていくことです。

 

物の量を減らす

物の種類を減らす

しまう・取り出すアクション数を減らす

動線を短くする

素材・色・大きさ・配置ラインを揃える

置き場所をはっきりさせる

 

これら全ては環境を単純化する行為です。

この中でできそうなことはないですか?

どうしたらもっとシンプルに、簡単に、ラクになるかを真剣に考えます。

 

③つ

作る

色々作るものがあります。頑張りどころです。

1,片付けの時間

まずは片付け時間を作ります。

一日5分でもいいので、できそうな時間帯にスケジュールとして入れ込みます。

必要があれば片付け以外の家事をするタイミングや流れ、方法も見直します。

日々使っている時間を棚卸しして、不要な時間がないか見直してみましょう。

 

2,自分(たち)が再現可能でストレスフリーな片付けの仕組み

ライフスタイルや特性に合わせて、②で考えた方法を実現する収納を実際に作っていきます。

自然に出す・しまうができる場所、順序、方法、見た目に整えていきます。

正解はなく、ゴールも人それぞれ。背伸びしないでできる方法が一番です。

 

3,片付けないきゃいけない状況

例えば、お友達を呼ぶ日を決めてしまうとか、片付ける!とbefore写真をSNSにあげて宣言してしまうとか、思い切って引越してしまうとか!

追い込まれないとできないという方は多いので、自分がこれなら奮い立つという方法を考えて状況を作ってみてください。

 

4,維持するためのルール(習慣)

苦しくならない程度に軽くルールを決めておくのも手です。

寝る前にここだけはリセットしよう、曜日ごとにここを片付けよう、など…

 

④け

経験する

仕組みが出来上がったら、それをしばらく続けてみます。

新しい片付け方法や習慣が本当に自分に合っているかどうか、経験して確認するのです。

何週間か経ったらやっぱり続けられないとか、これならできそうとか、色々わかってきます。

自分にはこれ合っていると納得ができたりすると思います。

もしだめだったらまた片付けの「か」から始めます。

自分が駄目なのではなく、仕組みが合っていなかったと考えて、別の方法を試してみましょう。

 

はじめの一歩が一番大変ですが、やり始めるとエンジンがかかることがあります↓

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「ひとつ、ひとつ」やっていけば状況は確実に変わります。

iewabuki.com

 

考えること多すぎ!こんなに考えられない!という方には

考えなくてもできることを紹介してくれていて大助かりの本です。

できそうなことを試してみましょう。

収納用品に自分を収めない!【収納用品を買う前に問うこと】

その収納用品、ほんとうに必要でしょうか?

片付けの基本を確認するシリーズ?第二弾!

これはミニマリストさん中心に多くの方がいろんなSNSでおっしゃっていることですが、もう一度確認!

その収納用品、ほんとうに必要でしょうか?

収納用品を新しく購入する前に、気をつけたいことをまとめました。

 

片付けの基本を確認、第一弾はこちら↓

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収納用品は、お悩み解決の魔法ではない

Instagramなどで、素敵な美収納をたくさん見ていると、自分の家の収納がものすごく汚く見えたり、ダサく見えてきたりして、焦ることないですか?(私のことです…)

 

私もライフオーガナイザーになるために勉強する前は、片付けのプロっていうのは、「美しい収納を作って差し上げる仕事」だと思っていました。

「シンデレラフィット!」「〇〇の〝じゃない〟使い方で驚くような収納術!」

こんなことを披露する魔法使いのような人たちなのかと…。

 

でも実際片付けの勉強をしてみると、違いました。

収納用品を買い足して行う収納術は、選択肢の一つでしかなく、それが必ずしもお客様のお悩みを解決してくれるわけではないことがわかりました。

 

収納用品が増えることのデメリットも含めて、改めて確認していきたいと思います。

a close up of a drawer with many different colored drawers

収納用品の数・形に持ち物を合わせてないか?

収納する場所に収納用品が見事にぴったりと収まる「シンデレラフィット」はとても気持ちが良くて、見た目も美しいものです。

でもそれが、目的化していないか?考えてみましょう。

 

収納用品を敷き詰めてみたら「効率よく収納できたから」、「引き出しが一つ余ったから」結果的に本当は必要ないものまでモノを詰め込むことになる…

 

こんな、私も含めてよくやってしまいがちな失敗は、まず収納する場所を、サイズの合う収納用品で埋め尽くすことから始めてしまうことで起こります。

 

そうすると、収納用品に入るサイズ・形・数に、自分の持ち物を合わせることになります。

見た目には美しく収納することができるかもしれません。

 

生活のお悩みが、「収納の見た目のストレス」なのであれば、収納用品を揃えることは正しい手段です。

でも、もし、お悩みの原因が「物量の多さ」だったら?「動線」だったら?

「出し入れのアクション数」だったら?他にも色々お悩みの原因があり、それによって解決方法は変わってくるのです。

 

間違った収納用品を揃えてしまうことのデメリット

収納術によってたくさんものがしまえるようになったら、さらに物が増えて奥の物の存在を忘れてしまうかもしれません。

収納用品に入る場所にしまうしかなくなって、本当に使いたい場所にしまえなくなり、さらに動線が悪くなるかもしれません。

収納用品を買い足すことで、アクション数が増えてしまい、片付けがもっとめんどうになってしまうかもしれません。

畳まないとしまえない服が増えて、畳むのが負担になったり、シワになる服が増えてしまうかもしれません。

真っ白な収納用品で揃えた結果、色や形で見つけていたご家族が、物を探しにくくなるかもしれません。

 

収納用品を決める正しい順番

隙間なく収納用品をぴったり入れ込み、それからそこに何を入れるか決めるのではなく、正しい順番は真逆です。

 

まずは、「理想の生活」がどんなものかイメージすること。

次に、「そのためには、どこに何を、どのようにしまうべきか?」考えること。

要不要を見極め、残った物たちとご本人の特性に合わせた収納方法、生活が滞りなく回るような配置を決めます。

そうしてやっと、どこに、どんな形・サイズの、どんな使い方をする収納用品が必要なのかがわかるのです。

これには時間がかかります。しっかりと考える時間が必要です。

 

収納用品に自分を合わせるのではなく、自分に収納用品をあわせる

スペースや収納用品に合わせて自分を収めるのではなく、ご自分の実現したいライフスタイルに合わせた収納用品を使いましょう。

 

もしかしたら、考えた結果、あるものでできるかもしれないし、何も使わないほうが良いことだって大いにありえます。

どんなときも必ず、課題を見つけるのが先。

解決してくれる手段としての収納用品を探す、という順番を守りたいものです。

 

取捨選択・整理したんだけど、しまいたいものがしまいきれない!

この収納用品がないと、うまく入らない!

そんなとき初めて、収納用品の魔法が効果を発揮するのです。

 

そして、収納用品を買ったら、収納用品自体のお手入れが必要になることも忘れないでくださいね。

 

収納用品を楽しむ気持ちをモチベーション維持に利用するのはアリ!

これだけ厳しく収納用品を買うことに慎重になれという話をしてきてしまいましたが、私も収納用品が大好きで、インフルエンサーの方々の投稿を憧れの目で見ている一人です。

 

新しい収納用品を買うのは楽しいし、見た目が揃うと日々のテンションが上がります。

そんな気持ちを片付けのモチベーションとして、キレイを維持できるようになれるなら文句なしです!

要は、収納用品を買うことが、片付けの先にある「したい・ありたい」を叶える手段になっていればOKなんです。

 

最近はプラスティックだけでなく、風合いや意匠のある収納用品もいろいろ増えて、お部屋や用途に合う素敵なものを探すのがますます楽しくなりました。

 

片付けて素敵な空間にするぞ!という気持ちを奮い立たせてくれる、お片付けの楽しさを教えてくれる収納用品は、これからもチェックしていきたいと思います。

「捨てる」はゴールではなく手段であることを忘れない

片付けのよくあるお悩み「捨てられない」

ミニマリストさんが増えてきている世の中ですが、実際には「捨てることができない」というお悩みを持つ方が多いようです。

捨てることのメリットは昨今、充分に叫ばれていると思うので、ここではお話しません。

 

今回は、「捨てなければ!」と焦っていたり苦しんでいる方と一緒に、「捨てること」は目的ではなく、手段としての選択肢の一つだという基本を、改めて思い出していきたいと思います。

白い壁の横の緑色のプラスチック製のゴミ箱

 

捨てなければ!と焦る前に、確認したいこと。

それは、「どんなふうに暮らしていきたいか?」という価値観の確認です。

自分はどんな空間で、どんなふうに過ごすことで満たされるのか。

それがはっきりわかっていなければ、正しく削ぎ落とすべきものを見極めらないはずです。

 

例えば、先日のお客様は、料理が大好きなご夫婦でした。

価値観を紐解いていくと、「食」にとてもこだわりがあり、豊かな食生活や、ご家族ご友人と食卓を囲んで過ごす時間を一番大切にしてらっしゃることがわかりました。

 

キッチンを拝見すると、珍しい食材、調味料がぎっしり!

整理すると確かに、使い切れず賞味期限切れになってしまったものもみつかるのですが、だからといって「よく使わないものは無駄!」とは決して言えないケースです。

 

多少使い切れなかったり、無駄になってしまったとしても、珍しいスパイスを使わずには得られない特別な香り、その奥深さを家庭の中で体験できることは、その御夫婦にとってはなくてはならないものです。

 

賞味期限切れや、試してみてお気に召さなかった食材調味料だけを除いて、お気に入りだけをズラッと並べて出来上がった「世界の調味料コーナー」は、とてもお客様らしい

素敵な場所になりました。

 

もしそのご夫婦が、「キッチンをすっきりさせなければ」「たまにしか使わないから」という理由でスパイスを捨ててしまったら、生活の楽しみが大きく損なわれてしまいます。

 

「何が好きなのか、自分でもよくわからない」という方だっている中で、好きなものが明確にあることは素晴らしいことです。

 

好きなもの、こだわりのもの、それを楽しむための空間・時間・モノは、できるだけたくさん持っていたい!

そんな当たり前の気持ちと権利を大切したいものです。

それを「捨てなければ!」という思い込みで失うのは、大変もったいないことです。

 

(一方で、料理ベタな私の場合、特別なスパイスは真っ先に手放す対象となります。

私のような人においては、海外の珍しい料理は外食でのみ楽しむと決めて、定番の調味料しか揃えない、というのが正しい選択になるのだと思います。)

 

捨てるのは、「人生の楽しみ」を際立たせる手段

一方、その方のおうちは、キッチン以外の物量はそれほど多くないようでした。

こだわりのない部分については、潔くたっぷりと手放すことができ、キッチンカウンターの収納棚の中身は、半分ほどなくなりました。

そしてこれまで入れたくても入れられなかった大切なアルバムを良き場所に収納できるようになったのです。

 

好きなものは充分に持ち、特にこだわりのないものは手放す。

こうして持ち方にメリハリを付け、好きなものに充分なスペースを割けるようになる。

これが、「捨てる」という手段が効果的に活かされた例です。

 

捨てることが「目的」になると、本来捨てなくても良かった、捨ててはいけなかったものまで手放してしまう結果になり、「せっかく片付けたのになんだか虚しい、寂しい生活になった」ということにもなりかねません。

 

捨てることの効果を充分に発揮させるためには、自分の価値観をまずははっきりさせて、目的「こうしたい・ありたい・なりたい」に合わせて、削ぎ落とすべきものと残すものを見極めなくてはなりません。

当たり前ですが、忘れてしまいがちなことだと思い書いています。

【いただきもの問題】愛を上手に受け取る提案

よく聞くお悩み「実家からのいただきもので散らかる!」

最近立て続けに、「実家の母が大量に買ってきてくれる」ことを悩んでいるお話を聞きました。

子どものおもちゃ、子どもの服、お菓子、その他あらゆる食品…

 

ご実家と仲良い証拠、羨ましい話ではありますが、ご本人にとっては長年のお悩み。

使うものももちろんあるけれど、使わないもの、自分や子どもの好みに合わないものも含まれ、すぐに消費できる量でもないため、家にものが溢れてきてしまうようです。

一時的に増えるもののスペースを取っておける余裕があるおうちは少ないものです。

「一時」が「長期的」に散らかる原因になってしまう悲しい事実

急にやってきたものたちは、いつもの収納から溢れ、行き場をなくしてしまいます。

一時的なものだからと置きっぱなしになると、みるみる何でも一時置きしていい雰囲気を作り出し、これまではちゃんともとに戻せていたものたちも、戻せなくなってしまうように…

それが長期間続くと、散らかった状態が常になり、探す手間、取り出しづらさからストレスフルな時間が増えていきます。

 

更に言うなら、自分たちが選んだわけでないものに囲まれていると、自分たちが本当はどうしたかったのか、何を大切にしたかったのか、わからくなってきてしまいます。

そうすると物の取捨選択がどんどん苦手になってきて、さらにものが増えることに。

 

大げさでなく、一時の「いただき物」をきっかけに、こんな悲しいループに陥ることがあるのです。

 

こんな状況は、誰も望んでいなかった

贈る方は当然ながら、きっと喜ぶだろう、助けになるだろう、という親切心からそうしています。

受け取る方だって、気にかけてくれて、助けようとしてくれてありがたいという気持ちがあるから受け取るわけです。

 

「ありがた迷惑」だなんて、言われる方はもちろん悲しい。

でも言う方だって、言葉には出さなくとも、自分が心の中でそう感じてしまっていることに気づいてしまったら、罪悪感を持って苦しいものです。

相手を傷つけると思って、「いらない」とは言えないのです。

捨てられないのです。

 

もっとお互いがハッピーになれる、良い方法はないのでしょうか?

 

「プレゼント」は愛情表現の一つでしかない

そもそもプレゼントは、愛情表現の一つでしかないのだってことを、贈る方も受けとる方も、しっかり思い出す必要があります。

 

以前、こちらの本を紹介しました。

 

iewabuki.com

 

贈る側は、プレゼントでしか愛情表現ができないと思いこんでいる場合があります。

しかも、今30代のわたしたちの親世代は、買い物が楽しくて楽しくて仕方なかった時代の人たちです。

待望の孫が生まれたら、嬉しくて色々買ってしまうことでしょう。

 

だからこそ、愛情表現は他にもあることを、わたしたちから上手に伝えていくことをご提案したいと思います。

 

上の本で、愛を伝える方法はプレゼント以外にも、

 

①肯定的な言葉

②スキンシップ

③一緒に過ごす時間

④奉仕的なサービス

 

があると教えてくれます。

これらは全て「もの」ではなく、その方の存在とご厚意だけでできる愛情表現です。

自分がどれなら嬉しいか考えてみて、次回贈り物をいただけそうなときに、リクエストしてみましょう。

 

上手におねだり!具体的な言葉かけ案

「プレゼントはもうたくさんもらったから、お母さんの気持ちだけで充分嬉しいよ」ということを最初に伝えた上で、

 

例えば

①なら「これからはプレゼントよりも、時々LINEちょうだいよ。子育て頑張ってるね!って褒めてくれたら嬉しいな。すごく元気出るよ!」

②なら「これからはプレゼントよりも、もっと遊びに来て。私や子どもたちのこといっぱいハグしてよ!」

③なら「これからはプレゼントよりも、一緒に美味しいランチやお茶するのにお金使おうよ!これ美味しそうだったから、一緒に食べに行かない?」

④なら「これからはプレゼントよりも、一緒に子育てや家事を手伝ってほしいな。一人だと大変だから、とても助かるの。」

 

そんなふうに言ってみるのはいかがでしょう?

 

そのためにまずは、自分が本当は、相手にどんなことをしてもらったら嬉しいのかをしっかりと考えてみる必要があります。

言葉なのか、スキンシップなのか、ともに過ごす時間なのか、お手伝いなのか?

たくさん想像して、どんどんリクエストしてみましょう。

親子関係がきっともっと良くなると思うのです。

 

お母様からのいただきものでお悩みの方は、ぜひ試してみてくださいね。

開業【ゆかたづけ】の由来、「ゆ」に込めた想い

開業しました。

ライフオーガナイザー一級資格を取得し、お片付けコンサルティング・訪問お片付けサポートの事業を始めることにいたしました。

事業所名を何にしようか悩んで、最初はかっこよく英語などを使おうかとも思ったのですが…

 

名前は、【ゆかたづけ】にしました。

ちょっとおしゃれさの対局を行くような名前ですが、あえて

  • 一目で、お片付けのサービスだとわかる
  • 老若男女に親しんでいただけるよう、ひらがなで
  • しみずゆかの名前入り

ということで決めました。

特に、「ゆ」の文字にはかなり思い入れがあって、今日はそのお話をさせていただきます。

「ゆ」に込めた想い

ぐるりと一周してから払う筆跡の流れから、生活が滞りなくスムーズに回っている様子がイメージできます。

 

また、私が考える「片付け」にぴったりの言葉たちが思い浮かびます。

 

「ゆるめる」

「こうあらねばならない」「こうしなければならない」

…こうした自分を律するための言葉は、時に心を窮屈にしてしまいます。

もし、生活がうまく回らなくなってきているとしたら、「固い思い込み」がないか、考え直してみる必要があります。

これまで良しとしていた「あり方」や「方法」も、実は自分や家族に合っていなかったり、変化に伴い合わなくなっていることがあります。

思い込みを一度「ゆるめる」こと、これが片付けのスタートになるのではないでしょうか。

 

「ゆるす」

片付けられない自分自身や、なかなか片付けてくれない家族を責めてしまうことがあります。

でも、悪いのは「人」ではないのです。

問題は片付かない「仕組み」にあるというのが、ライフオーガナイズの考え方です。

仕組みを変えれば、状況が大きく好転することがあります。

まずは自分自身や家族を「ゆるし」、問題の本当の原因や解決策を前向きに探ってみましょう。

 

「ゆっくり、ゆったり」

リラックスして、心から望む暮らしがどんなものか、イメージしてみます。

それがまさに、片付ける理由になり、きれいを維持するモチベーションとなります。

 

「ゆとり」

片付けることで生まれてくるのが、時間や空間、そして心のゆとりです。

ゆとりのおかげで、本当にやりたいことにかける時間ができたり、家にあるものが美しく映えたり、心に素敵なこと・嬉しいこと・感謝したいことを見つける感受性が戻ってきます。

家族がお互いに優しくなれて、くつろげる我が家になることと思います。

 

「ゆたか」

安心できる暮らしの土台ができれば、新しいチャレンジもしやすくなるものです。

暮らしのストレスに煩わされることなく、着々と目標に向かって前に進むことができるでしょう。

お客様にはそんな風により豊かな暮らし、より豊かな人生を送っていただきたいと思います。

 

【ゆかたづけ】のアピールポイント

  • ご自身やご家族にぴったりな収納方法を探ります。
  • 日常生活がスムーズに回るよう、家事ルーティンや動線、時間の使い方も見直します。
  • 結婚後9回の引越を通じて、大小形様々な家に住んできました。家のサイズに合わせた収納の工夫ができます。
  • ADHD・書字障害含む3児の母で、お子様のおもちゃや学用品収納、自分でお支度できる仕組み作りも得意です。

 

所有資格

 

2024年9月1日オープン予定です。HPできました。

群馬県みなかみ町在住のため、サービスエリアは群馬県内になります。

群馬でお片付けにお悩みの方は、ぜひ【ゆかたづけ】にご相談くださいませ。

yukataduke.com

マキシマリストの経験が生む洗練~ベル・エポック展で感じたこと~

恒例の一人旅、ベル・エポック展へ

今、一人旅(一泊二日)の途中です。

今回は、まさに学生時代に勉強していた辺りの展覧会が開かれていること知って、栃木まで2時間ドライブしてきました。

栃木県立美術館

https://www.art.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/t240713/index.html

ベル・エポックについて

ベル・エポック - Wikipedia

国際博覧会アール・ヌーヴォー、世紀末芸術、世紀末、象徴主義
印象派ポール・セザンヌクロード・モネなど)、エコール・ド・パリ
キュビズムマルセル・プルースト失われた時を求めて」、タイタニック号…

これだけ並べても、いかにこの時代が華やかで文化的に豊穣であったかがわかります。

 

この時代をモチーフに小説を書き、ミュージックホールで踊り子をしたり、同性愛を謳歌したり、数々のタブーを破って奔放な活躍をした小気味よいコレットが私は大好きで、卒業論文で取り上げました。

コレットが伝統的な男女関係を逆転させた小説の痛快さについて、ご興味あれば

だからこの展覧会を、学生時代にタイムスリップしたような気分でとても楽しめました。

でも今の私はライフオーガナイザー修行の身なので、ついつい片付けと結びつけて考えてしまいます。

どんな経験も今につながるのだなと実感するばかりです。

 

マキシマリストがミニマリストやシンプリストになっていく姿と重ね合わせて鑑賞してきました。

 

人間らしさの最大限

産業革命が進み、パリにはボン・マルシェ(世界初の百貨店)がオープンし、大量消費文化が栄えるようになりました。

ウィキペディアの記述↓

巨大で立派な店舗に毎日客が押し寄せるさまを、作家エミール・ゾラは百貨店をモデルにした小説『ボヌール・デ・ダム百貨店』の中で「消費信者のための消費の大伽藍」(« Une cathédrale de commerce pour un peuple de client »)と呼んだ。

そして、モンマルトルの繁華街では、乱痴気騒ぎ。

ムーラン・ルージュのフレンチカンカン、ル・シャ・ノワールが有名ですね。)

人々はありとあらゆる娯楽をお腹いっぱい貪りました。

とても人間らしく、憎めない時代です。

 

飢えて、食べすぎて、見定めるの繰り返し

さて、享楽的に過ごしたあとやってくるのが…例えるなら「胃もたれ」のようなもの。

このあと、様々な分野のデザインや手法がシンプルになっていきます。

有機的(曲線)よりも幾何学的(直線)に、ボリュームをなくしてコンパクトに、ディテールよりも、本質に迫るもの…

女性たちはコルセットから開放され、動きやすい服装でスポーツも楽しめるようになりました。

こうして膨らみすぎたものが削ぎ落とされ、洗練されていったのです。

 

現代の私たちも、未だに、同じことをしていると思いませんか?

ミニマリストさんたちがおっしゃるのは、必要以上に着飾ることへの疑問、本当にやりたいことのために無駄を省くこと、など。

ベル・エポック後の人たちと同じ発想です。

 

これって、バブルの時代の反動でもありますよね。

マキシマリストの親世代⇔ミニマリスト&シンプリストの子世代、という構図は

ベル・エポック⇔その後の時代、の構図と似ています。

 

更に言うなら、どうして親世代がマキシマリストになったかというと、彼らの親世代が貧しく物のない時代だったからこその反動です。

 

私たちは①飢えて、②食べすぎて、③ちょうどよい量を見定める、このサイクルを歴史の中で繰り返しているのです。

 

経験しないと捨てられない

ここでわかるのが、私たち人間というものは、ちゃんと経験しないと、捨てられないってことです。

ないときはほしいし、手に入れば入るだけほしいんです。

負担になるほど持つことができて初めて、やっと不要なモノ・コトが何かわかる。

だから手放せるようになる。

 

ないときは、ないものに憧れます。

持ってもないのに「要らない」とわかる人なんて少ない(いないのでは?)のです。

 

今ものが多いことはある意味チャンス

今ものが多くて、散らかっていて、うんざりしている方。

自己嫌悪になって落ち込むことはないですか?(かつての私!)

でもそんな必要ないと気が付きませんか?

どうしたって一度持たないと、不要だってわからないんです。

そのときは、必要だったんです。

十分それで楽しんで幸せを感じられたんだから。

「ここまで多いと負担かも」と気がついたときが、チャンスです。

自分が洗練される準備が整った証拠です。

もう一度改めて、どんな暮らしがしたいか見極めて、ものを選び直しましょう。

今のあなたなら、素敵なセレクトができるはずです!

新生活が楽しみですね!

二世帯住宅の片付け②穏やかに世代交代

結局どうした?二世帯住宅の片付け

前回、二世帯住宅の片付けの難しさをお話しました。

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私も初めて二世帯住宅の片付けに立ち会ったので、どうするのが正解なのかは、正直わかりません。

でも昨日キッチンの整理を完了させて、これでよかったんじゃないかと思うことができました。

今回は、どうやって二世帯住宅(キッチン共用)の片付けを進めていったか、そしてその結果どんなことが起こったかをまとめたいと思います。

 

はじめは「問題」ともされていなかった

実は、母には問題意識があまりありませんでした。

「物がそんなに多いとも思わないし、収まっているからいいじゃない」と。

私から見ても、「いつ来てもきれいだなぁ」と思うほど、特に散らかった印象はありませんでした。

 

一方で「物が多い!」と感じていた姉は、

  • 収まってはいるが、同じ用途のものの収納場所が点在していること
  • 収まってはいるが、一目で見渡せないこと
  • 物の種類が多すぎること
  • 収納用品や食器が実家にあったものの有り合わせで、見た目が揃わないこと

にずっとストレスを感じていたそうなのです。

 

姉家族は共働きで受験生含む子育ての真っ最中。

優しくてしっかりものの姉は、町内会からもPTAからも習い事の先生からも頼りにされ、忙しく様々な役を引き受けていました。

ということで、そもそも根本的な片付けに取り組む時間がありません。

 

ミニマリストに憧れつつも、真面目なので「物は最後まで使い切らなければ」と思っていました。

だから日用品は自分好みのものでなくても、ほぼ実家から引き継いできた物を使ってきました。

物を捨てると母が苦い顔をする気がするのもあり、不要だと感じるものもなかなか整理できないまま、新築後気づけば9年目に突入…

 

お疲れだった姉を母も心配、片付けを決意

最近の姉は、とても疲れていました。

パートからフルタイムで仕事を始めたこと。

受験を控えた息子の心配。

ときどき突然やってきては長居する、うるさい妹家族(私たち)!

 

こういうときこそ気になるのです、家の状態が。

収納を開けてはごちゃごちゃした見た目にうんざり。

あれどこ?あれない!と家族に言われるイライラ。

実は自分好みのものでないものばかりに囲まれていること。

そしてさすがに9年経って、食器が割れて数が足りなくなってきたこと。

 

母もそんな姉を心配していました。

そこで姉にしっかり、どうしたいのかを言葉にしてもらいました。

  • 工夫しなくてもすっと入る量にしたい
  • 同じカテゴリーのものをまとめたい
  • 誰でも簡単に何がどこにあるかわかるようにしたい、など。

話をするうちに母は、「〇〇ちゃんの好きなようにしていいよ」と言ってくれるようになっていました。

そうして、とうとう片付けに踏み切ることになったのです。

 

リーダーを決め、判断を委ねた

私は単刀直入に母に聞きました。

「好きなようにしていいよってことは、もしキッチンのものぜーんぶ捨てちゃって、お姉ちゃんがぜーんぶ買い直したとしてもいいの?例えば!」

 

すると、「もういいよ。…あ、これだけは困るかな…」と手を伸ばしたので、

私「お、じゃあ、キッチンからこれだけは捨てたくない!ってものピックしてもらっていい?」とお願い。

母はお月見柄の入った切子グラスを大切に手に取りました。

「これは私の部屋にしまってもいいし、あとは〇〇にお任せするよ」

 

世代交代

以前から母が主導権を握っていたというわけではありません。

ただなんとなく、昔とはいえ母が購入したものなので、所有権は母にあるような気がしていました。

だから姉に要・不要の全ての判断を任せると決めてくれたことに、ほっとしました。

と同時に、世代交代の瞬間を見たような気がしました。

母が快く姉に権利を手渡してくれたことに、感謝、尊敬です。

姉が主導して、ものを選び直し、姉が思う「適量」にすることが双方納得の上で決まりました。

 

大切なものを尊重し合う

だからといって、優しい姉のことなので、自分勝手には決めていきませんでした。

キッチンの物を手にとって仕分けしていく間、「でもこれは母が気に入っているから」だとか、「これはパパが買ってきてたまに使ってるから」などと、家族のことを想いながら判断しているのが見て取れました。

気を遣いすぎると全部手放せなくなってしまいますが、これからの家族の幸せな時間を想像しながら、楽しくなるイベントものも少し残しながら、合理的に判断していくことができました。

ついに、明らかに不要なものがない、すっきりとしたキッチン収納になりました。

いったん全部出してお掃除すると、気持ちいいい

シンク下に入れたかった洗剤ストックが入れられるように

バラバラにしまわれていたホットプレートのパーツも一箇所に入りました!

一目で見渡せる収納に!

 

新しい生活が始まります♪

不要と判断したものは、分別しながら袋にセットして、手放す準備もみんなででしました。

ごみ収集所へは、母が自主的に持っていってくれたそうです。

9年ぶりにスカスカになった食器棚に、今後新しい食器や収納用品が入ります。

今朝楽しそうに食器を選んでいる姉を見て、私も嬉しくなりました。